第四話 喋る扉って怖いよな
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「…………え?」
周囲を見る。
真っ白な空間だった。
何も無い。
ただただ白が広がっている。
「ここは……?」
「狭間(はざま)じゃよ」
いきなりの返答に度肝(どぎも)を抜かれる。
ビクッとして声の方向に顔を向ける。
だが、そこには扉しかない。
「…………まさかな?」
扉が喋るわけはないよな。
「いんや、喋るぞ」
「…………ははは、幻聴幻聴」
「現実逃避はよさんか」
「…………夢?」
「ではないぞ」
闘悟は顔を引き攣(つ)らせていく。
いや、落ち着いて考えよう。
そもそもここはどこだ?
オレはさっきまで変な森にいたはずだ。
何? オレって一体全体どこにいるの?
場面が変わり過ぎじゃない?
夢じゃなけりゃ何だっての?
「ああ、混乱するのも分かるが聞け。時間も無いしの」
「じ、時間?」
おお、すげえオレ、扉に話しかけられて普通に問い返してるよ。
オレの順応力、パねえな。
「そうじゃ、あの少女を助けたいんじゃろ?」
「……っ!」
その言葉で体が熱くなる。
そうだ、犬のような奴に襲われそうになってる女の子が居た。
それを助けようと走ってた途中だった。
「思い出したかの?」
「あ、ああ……ていうか、アンタ……でいいのか?」
「儂(わし)のことはトビラとでも呼べばええ」
「まんまじゃねえか」
「まあ、そう言うな。分かりやすいじゃろ?」
「ん……ま、いいけど。それでトビラ、あの時和室にあった扉そっくりなんだけど?」
目の前にある扉は、自分が吸い込まれることになった、和室の扉と瓜(うり)二つだった。
「そりゃそうじゃよ。アレは儂じゃからな」
「何てことしてくれたんだよっ!」
いきなり吸い込みやがって、あれからおかしな体験ばかりするじゃねえか!
「しょうがないじゃろ。お主は選ばれたんじゃからの」
「選ばれた?」
「そうじゃ。よく聞け」
ふう、扉と話す光景って、下手すりゃオレって痛い奴とか思われんだろうな。
「おい」
「わ〜ってるよ」
聞いてやろうじゃないか。
オレがこんなところにいる理由をな。
「うむ。まずは儂のことを説明するかの。儂は時空の扉じゃ」
「……頭大丈夫か…………オレ」
「お主がかいっ!!!」
だってよ、もうこの状況に慣れてきているオレが怖いし!
それにこのトビラだって普通じゃないってことは感づいてるし!
そもそもこの状況をすんなり受け入れてるオレって人としてどうなの?
「あ〜続きいいかの?」
哀れそうな声を出
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