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ソードアートオンライン 赤いプレイヤーの日常
零話〜序章〜
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 ホッと胸を撫で下ろす。
 普段扱うような商品ならまだなんとか許せる範囲だが、この計画だけは別だ。死んでも外に漏らすわけにはいかない。――そんな情報をうっかり口走りかけた自分に若干の殺意までもが沸いてくる。

「アーもウ!ヤメヤメ!暗くなっちまウ」

 あんまり思いつめると病んでしまいそうだ。アルゴは頭をぶんぶんと振って思考を切り替えると、サッと手を振り下ろし、メッセージ機能と半透明のホロキーボードを表示させて、すでに半分ほど頭にできあがっていた文章を打ち込み始めた。
 自分で言うのもなんだが、タイピングの早さには自信がある。当然と言うべきか、情報屋という仕事を二年近くもしていると、努力せずとも上達するのだ。
 こんな文が二分でかけるほどに。


――大方了解しタ。もう一つの仕込みのほうは今から向かウ。デ、調べなおす情報だけド、ハッキリ言ってコレに関してはもう何も出ないと思うゾ。ソリャ、信じられないのはオイラだってオナジだけど、この情報は確実なウラが取れてル。なんせ全員が全員そう言うんだからナ。マ、一応調べ直すケド、あんまり期待はするなヨ?
 それジャ、しばらくは連絡することなくなるけド、くれぐれも健康には気をつけろヨ。オネーサンとの約束ダゾ! 
 追伸、おカネはいらなイって、何回言えばわかるんダ?
                                         ――じゃあネ、ナグ。
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