妄想と戯言
妄想
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程の持ち主。武力行使で奪うことは出来ないだろう」
「……うん。ISに乗ってなくても強いから」
一夏とこの男はただ強いだろうという結論に達し、具体的な内容に関しては知らない。
織斑千冬は木刀で斬鉄が出来る程の腕前を持つため強いどころの騒ぎではないことを二人は知らない。
「だろう? そこで、ある人はこう思いついた。織斑千冬の唯一のウィークポイントであるその弟を誰かに誘拐させて、それを自分たちが颯爽と救い出すことで恩を売り、自国に持っていこうとしよう、とね」
「っな……」
「しかし、下手に誘拐をしたら逆に織斑千冬に感づかれる。そこで動くことが出来ないモンドグロッソの時を狙おうと考えたわけだ。その時にお前を誘拐させて、敢えて織斑千冬に情報を渡さずに自分だけで助けに行こうとする。こんな感じの計画だったんじゃないのか? かなり飛躍のある考えだが、身内を助けに来ないってのを頭に入れとくとこう考えることも出来たんでな」
「まさか……それじゃあ姉さんは俺が誘拐されたのに来ないのは、助けに来ないんじゃなくて助けに来れないだけ……?」
一夏がそう呟いた瞬間に閉ざされた扉が勢いよく破壊された。
「一夏!! どこだ! どこにいるんだ!!」
「っ! 姉さん!」
ISに乗った状態で織斑千冬は一夏の名前を叫びながら周囲を探し始めたのを見て、一夏は表情を明るくさせて声を上げる。
そして、一夏の方を向いた織斑千冬は一夏の無事な姿を見て安堵の表情を見せて、
「お前が……」
「…………ん?」
男の方を見た瞬間に顔を俯かせてブツブツと呟き始め、
「お前が……私の弟を誘拐したのか……」
「ひっ!」
顔を上げた時には修羅の顔をしており、背後には何か凶悪なオーラが立ち上っていて気のせいか本当に阿修羅が背後にスタンドとしているように二人には見えた。
その顔を見て思わず悲鳴を上げた一夏と表情を引き締めて織斑千冬を観察する男。
「一夏から離れろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
そして世界最強は一夏の命の恩人を無力化……いや、殺しにかかってきた。
その時二人は思った。
やばい。と
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