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真・恋姫無双 矛盾の真実 最強の矛と無敵の盾
黄巾の章
第4話 「貴方って、嘘つきね」
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たちが仲間を死なせたくないのと同様に、曹操も自分の兵を死なせたくはない。なら、使い潰せる手駒を増やしたいってことなのさ。傭兵なんてその最たる者。俺はその部隊の生き残りだぜ?」
「! そ、そっか……」
「そういうこと。そんな俺だから権力者ってやつの考えには過敏なのさ。参考になったか?」
「うん!」

 桃香はやっと納得したようだ。

「でも、盾二様」
「うん? なんだい、朱里」
「先程、曹操さんに陣を制圧したのは目的があるとおっしゃっていましたけど……盾二様はご存知なのですか?」
「いや? ただ、あれだけ誇りを気にする曹操が、他者の誇りを汚すような行為を平然とするわけないだろう? さっきも曹操自身言っていたけど失策だよ、あれは」
「では……?」
「さてね。まあ、別の目的があったのはまず間違いがないな。あれだけ聡明な人間だ。何かを探していた……人か、モノか。その両方か。ともあれ、あの様子じゃ手に入らなかったようだがな」
「……あれだけの会話からそこまでの事を。さすがです!」

 朱里の目が、ちょっと狂信的(あぶないぐらい)に輝いている。
 ……そのうち神様とか言われないだろうな。新興宗教の教主なんてやだぞ、俺。

「とにかく。曹操の手勢が敵陣から退いたのを見計らって制圧する。糧食や資材などは見つけ次第、報告! 手をつけるような恥知らずはいないと思うが、厳命しておくからな!」
「「「ハッ!」」」
「よし、雛里もそろそろ戻ってくる頃だろう。合流したら説明は朱里が頼む。愛紗、鈴々は陣内の捜索の指揮を。桃香は負傷者の救護。あと、朱里、近くの邑や街に喧伝するように細作を放て。内容は任せる」
「「「御意!」」」
「さて……次はどうするか」

 俺は撤収しようとする曹操軍を見ながら、今後の行動を模索する。
 それは広い海の上を航行する船のように揺れていた。

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