黄巾の章
第4話 「貴方って、嘘つきね」
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々を見る。
そうだ。もう一人の我らが主、桃香様。
すぐにお伝えせねば!
「誰かある! 桃香様をすぐここへ……」
「愛紗ちゃ〜ん! お客様だよ〜!」
「…………」
わ、私の怒りが、やり場のないこの怒りはドコに……
「あなたが関羽?」
私の目の前に金髪の女性が立つ。
その両脇には隙のない武人が周囲に気を配りつつ、こちらを威圧する。
「……貴殿が曹操殿か」
私の言葉に、彼女の脇にいた黒髪の女性が吼えた。
「控えろ、下郎! 我らが主、曹孟徳様に無礼であろう!」
「無礼だと……!」
私は、再度湧き上がる怒りに目を吊り上げた。
「無礼はどちらだ! 我らが五日もかけ倒した敵の陣を横から攫うような真似をした相手が!」
「なんだと! 華琳様を侮辱するかぁ!」
相手は背中の刀を抜く。
幅広の刀で、本人の実力もかなりのものだろう。
だが、たかがこそ泥!
私も手に持つ青龍偃月刀を構える。
「貴様らこそ我々を侮辱するつもりのようだな……この関雲長、貴様らのような漁夫の利狙いの官軍など認めん!」
「貴様……死にたいらしいな!」
くるかっ!
「やめなさい、二人とも!」
曹操の言葉で相手が止まる。
「春蘭! 夏候元譲ともあろうものが、簡単に激怒するものではない! 私に恥を掻かせるつもりかしら?」
「い、いえ。そのような!」
曹操の言葉に、女性――夏候と呼ばれた武人が刀を退く。
そして私と相手の間に桃香様が立ち塞がった。
「愛紗ちゃん! 曹操さんに失礼だよ! 謝って!」
「桃香様! 悔しくないのですか!?」
「? どうして?」
「ご主人様や朱里や雛里があれだけ必死に考え、五日もかけて落とした陣ですよ!? どうして全て終わった後に乗り込んできた官軍にその功を取られねばならないのです!」
「え……?」
桃香様は後ろを振り向き、曹操を見る。
曹操は心外だ、という風に肩を竦めた。
「見損なわないでほしいわね。別に私は貴方達の功績を奪おうとなんて思ってないわ。あそこにある糧食、武器、資材は貴方達のものよ」
「ならば何故、あの陣に旗を立てたのだ!」
「決まっているじゃない。後始末をしてあげたのよ」
そう言って私の傍に来る曹操。
後ろで傍にいた青い髪の女性が「華琳様、危険です!」と叫ぶ。
だが、曹操は止まらない。
「関羽。私たちは功を取りにきたのではない。貴方達と手を組みに来たのよ」
そういって、手を出してくる曹操。
「手を組む……だと?」
「ええ、そうよ。受けてもらえるかしら?」
「……私が決めることではない。それは桃香様やご主人様が決めることだ」
「あら、そう。じゃあ劉備、先
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