第四幕その八
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続きを言おうとした。その時であった。
不意に早鐘が鳴った。それは危急を知らせる鐘であった。
「何事だ!?」
王は咄嗟に身構えた。
「陛下!」
中庭に小姓達がやって来た。
「どうしたことだ!?」
王は彼等に対し尋ねた。
「大変です、宮中に民衆が雪崩れ込んで来ました!」
「何っ!」
これには王だけでなくその場にいた全ての者が驚いた。
エリザベッタも侍女達に護られやって来た。異端審問官達もいる。
「彼等がロドリーゴを・・・・・・」
カルロは彼等を見て激しい怒りを感じた。だが今はそれどころではなかった。
「陛下よ、これは如何いたしたのですかな?」
大審問官もいた。彼は相変わらず左右を支えられている。
「何、愚か者共が騒いでいるだけです」
王は怖れることなくそう答えた。
「殺せ!殺せ!」
中庭は頑丈な扉によって守られている。その向こうから怒鳴り声が聞こえてきた。
「来たか」
王はそれを聞き落ち着いた声で言った。
「まずい・・・・・・」
だが他の者は皆蒼白となっている。カルロも身構えている。
「皆の者、案ずることはない」
王は彼等に対しそう言った。
「扉を開けよ」
小姓達に言った。
「しかし・・・・・・」
彼等は青くなってそれを拒もうとする。
「これは王の命令だ」
彼は反論を許さなかった。彼等は震えながら扉に向かう。扉は今叩き壊されようとしていた。
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