TURN65 快進撃その十
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「それからも色々とあるがな」
「祖国さん、頑張って下さい」
「それでガメリカ戦の後ですが」
ここで日本は少しだけ微妙な顔になって言った。
「中南米はどうなのでしょうか」
「あの場所か」
「何か侵略の意図があるかも知れませんね」
「中南米は複雑だ」
柴犬の言葉が少し変わった。
「どうもな」
「柴神様も御存知ないのですか」
「最初から妙な種族がいた」
埴輪であるのは言うまでもない。
「あの者達がどうもな」
「あれは何者でしょうか」
日本もこう言う。彼も埴輪のことは知らないのだ。
「よくわかりません」
「この銀河には先住種族も多い」
人間以外の種族もだというのだ。
「埴輪達もその中にいるがだ」
「他にもパルコ族もいますね」
イタリンの豚達もそれに入る。
「あの人達も」
「そうだ、マダガスカルにもな」
「カナダさんのところのネイティブの方々は」
「彼等は人間だ」
この銀河の大多数の種族だというのだ。
「先住民族ではない」
「私達と同じですか」
「アフリカの原住民達もだ。だが」
「だが?」
「アフリカの奥地もだ」
柴神は急に難しい顔になって日本達に言った。
「あまり入るべきではない」
「暗黒大陸ですね」
帝はこう柴神に言った。
「あの大陸の中央は」
「よくわからない。エイリスも入ろうとはしていない」
アフリカ全土を植民地にしているこの国もアフりカの奥地には入っていない、もっと言えば既存の航宙技術が通じず入られないのだ。
そしてそのことを柴神はこう言うのである。
「いいことだ」
「そうですか」
「うむ。入らなくていい場所もある」
帝に告げるのは切実な言葉だった。
「人類にはな」
「何かよくわかりませんが」
日本は柴神の言葉に奇妙なものを感じながら首を捻った。
「この世界には謎が多いですね」
「そしてそのままにしておくべき謎もある」
「ですか」
「そのことはわかっておいて欲しい」
柴神にとってドクツとソビエトの戦いの行方はどうでもよかった。彼だけが知っているより大きなことを見て危機を感じているのだった。
TURN65 完
2012・11・8
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