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ヘタリア大帝国
TURN65 快進撃その七
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「駄目じゃない、皆計画通りにいってないじゃない!」
「ドクツ軍が強過ぎるので」
 彼女の前に立つゲーペが答える。
「想定以上に損害が出ています」
「撤退は上手にはいっていないの?」
「残念ですが」
 それが計画通りにいっていないということだった。
「損害は想定の二倍です」
「二倍なのね」
「はい、ドクツ軍はリトアニア、ロシア平原、ウクライナを奪いました」
 ゲーペは淡々とカテーリンに報告する。
「そしてそこからラトビア、ベラルーシ、カテーリングラードに向かっています」
「カテーリングラードは絶対に攻め落とされたら駄目よ」
 その星域のことが話に出るとカテーリンの顔が一変した。
「あの町は絶対によ」
「はい、カテーリン様のお名前が冠されているだけに」
「何とかならないの?」
「今の戦力では。ですからここは」
「一旦ドクツ軍に渡すのね」
「そうするしかありません。それに」
 ゲーペはさらに言う。
「エストニア、スモレンスク、そしてカフカスもです」
「西方の殆どの星系がなのね」
 カテーリンは憮然として応えた。その間もサインはしている。
「ドクツ軍に一旦渡すのね」
「そうなります」
「じゃあこのモスクワとレニングラードは絶対に守るの」
 レニングラードもだった。
「レーニン校長先生の町もよ」
「校長先生ですね」
「校長先生はとても立派な方だったわ」
 不意にカテーリンはさらに意固地になった。
「私達をとても大事にしてくれて色々教えてくれたから」
「そうよね。凄くいい人だったよね」
 カテーリンの左の席で一緒に仕事をしているミーシャが応える。二人は机を並べて書記長、首相の仕事をしている。
「私達にとても優しかったし」
「あの先生の町も渡したらいけないから」
 こう強い声で言う。
「絶対に守るわよ」
「それにモスクワもだよね」
 右手にはロシアがいてやはり生徒の席に座って彼の仕事をしている。
「ここを陥落させられたらまずいよ」
「戦力は撤退させていき決戦を挑みます」
 ゲーペは参謀的に述べた。
「その予定です」
「ニガヨモギ本当に使うから」
「はい、モスクワに置きましょう」
「それとジューコフ元帥もいるから」
 ソビエト軍きっての名将の彼の名前も出る。
「モスクワでの戦いはね」
「僕も出るよ」
 ロシアもまたサインをしながら応える。
「頑張るからね」
「祖国さん、お願いします」
 ゲーペもロシアに対して答える。
「ご苦労をかけますが」
「いいよ。だって僕のことだから」
 ソビエトの中心国としてロシアは微笑んでゲーペに答えた。
「それはね」
「左様ですか」
「この戦いに勝たないと共有主義はなくなっちゃうね」
「しかし勝てば」
 その時はだというのだ
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