発作的ショートストーリー デビ☆サバ外伝
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世界が崩壊して4日目、変容の水曜日
「では迫、後は任せる」
「はっ。許可していただき、ありがとうございます」
ジプス大阪本局、その中央ホール。いつもよりも若干不機嫌そうなジプス局長、峰津院大和がそう言うと、局員である迫真琴はキビキビした動作で敬礼をした。
「ふんっ。全く理解できんが、これで駒の動きが良くなるというのならそれでいい」
返礼をせずに、そう言うと大和は踵を返しホールを出ようとする。
「あの、局長もよろしければ――」
「いらん。これは貴様の発案だ。なら、貴様が責任を持って成果を上げろ」
迫の引き留めに振返りもせずにそう言うと、若干歩みを速めて出口へといった。今この場所に、一時たりとも居たくないと全身で言っているようだ。
乱暴に閉められる扉を見て、真琴は小さく肩を落としてため息をついた。
責任を持ってと言われたが、それは勿論果たす。だが、自分が言いたかったのはそう言うことではなかったのだが…。
極めて優秀な様で、どこか人とはずれている局長への愚痴を、真琴は心の中でこぼした。
しかし、愚痴ばかり言っていられない。局長が言った様に、これからささやかなものではあるが勤めがある。ジプスに協力してくれるメンバーに、より積極的に協力してもらうという責任があるのだ。
真琴は先ほどとは逆に小さく息を吸い込むと、姿勢を起こして振り返った。
振返った先には、以前とは比べ物にならないほど小さいものではあるが会食の用意がされてある。規則正しく並べられた机の上にあるのは、この状況では考えられない程の贅沢な量の料理と、ペットボトルに入った清潔な水などの飲み物。
そして真琴の方を向いている、ターミナルによって全国から集められた悪魔使い達。
「すまない、待たせてしまった。
…では、これから今後のジプス中核を担ってくれるであろうメンバーとの交流会を始める。それぞれ出身地も、ここまで至った経緯も違うだろうが、今後は共に人類の存亡をかけた戦いに身を投じる仲間、戦友となる。
存分に交流し、今後の戦いのための英気を養ってくれ」
「…アイリ、どうしたの?」
宴もたけなわになった頃、一人壁の花となっていた伴亜衣梨に純吾が再び話しかけた。
交流会のはじめは、亜衣梨は純吾の後をひっついて会場の中を歩き回っていたのだが、中盤だんだんと不機嫌になり、終いには純吾の脛を蹴っての喧嘩別れをしたのである。
そう言う訳で実は亜衣梨、先ほどまで純吾とは別行動をしていたのだ。
ぷんぷんと、本気で怒っているのだろうがどこか憎めない身振りで純吾から離れて行った亜衣梨。その後ろ姿を、はじめは純吾も、その時話していた久世響希一行も呆然とそれを見送ったものだが、
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