第23話
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「ん?あれってアスナじゃね?」
あくる日の昼、街に買い物をするついでに散歩と思い歩いていると、何やらマップを見つめながら座っているアスナを見つけた
「うーっす。何してんの?」
後ろから声をかけるとアスナは振り返ることなく答えた
「レイ君?今、キリト君の動向みてるの」
一瞬ストーカーかと疑ってしまう
「ストーキングじゃないよ。キリト君、今クラディールと一緒なの、だから胸騒ぎがして…」
「…クラディールってあの護衛か?」
「今は護衛じゃないんだけどね」
苦笑いを浮かべた。ちなみに、この会話を通してアスナは一度もこっちを向いていない
「ふぅん?でもどんな風の吹きまわしだ?」
「なんか、仲直りさせよう、的な企みだと思うけど…」
「ちなみに、どこ行ってんだ?」
「≪ドンモール渓谷≫」
俺はアスナの意外な一面を今見た
「…≪ドンモール渓谷≫の出口はこっちじゃねぇぞ?」
え?と言って初めてアスナが振り向いた
そう、そのダンジョン≪ドンモール渓谷≫は、一方通行のダンジョンで、こっちで待っていてもキリト達が帰ってくることはない。その事実に気付いたアスナは目を見開き、凄い剣幕で俺に訪ねてきた
「キリト君が帰ってくる場所は!?」
迫力は、ボス級のものだった
「え、えぇと、ここから正反対の方角です…」
「ありがとう!」
そう言ってマップに視線を落としたアスナの表情が一変した
「…ゴドフリーのカーソルが消えた」
「は?」
「キリト君ッ!!」
アスナがマップを消して駈け出そうとした。しかし俺はアスナの腕を掴んでそれを制した
「何!?」
「なんか良くわからんが、キリトんとこ行くんだろ?だったら任せろ!」
「私もよくわかんないけど任せるわ!!」
俺はアスナを抱え込んだ
アスナも丸くなって弾丸のような体制をとる
「…ここまでくりゃあ分かるよな?」
「ええ、思いっきりお願い!」
両手両足に力を入れて全力を振り絞る
そして――
「いっけぇぇぇええ!!」
アスナを≪ドンモール渓谷≫の方向にぶん投げた
丸い、そして尚且つ軽いアスナは、この世界最速をだして宙を舞った
「きゃああああぁぁぁぁあ!?」
遠くで叫びが聞こえたのは気のせいにしておこう
アスナの姿は一瞬で見えなくなり、俺は一人この場に取り残された
「…さて、と。どうすっかなー」
今日は攻略休暇日なのでゆっくりしよう
――そういや、黒印の手入れ大分してねぇな
俺は愛刀の手入れをするためにリズの武具店に向かった
転移門をくぐり、商店街を歩き、リズが営む店に着いた
相変わらず水車のBGMが心地よく聞こ
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