第八章 望郷の小夜曲
プロローグ 新たな夢
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ない闇の時代に現れた光りが……アーサー王だった。
あなたは誰よりも……何者よりも強く、気高く、正しく……その力を持って、民を……騎士を……国を救ってくださった。
正しき王よ。
至高の王よ。
誇り高き王よ。
あなたは、まさしく王の中の王であった。
我ら騎士の王であった。
そんなあなたの騎士であることは、私の最大の名誉であり誇りです。
この命尽きたとしても、あなたに仕えたことを後悔することは決してないと誓えましょう。
そう……誓えた筈だったのですが……この時になって、後悔が一つ出来てしまいました。
―――王は人の心が分からない―――
そう言い放ち、円卓から去った騎士がいました。
正しき選択は、時に人の心から外れた先にあることもあります。そんな時、多くの者は間違った選択をしてしまいます。正しい選択を選ぶとしても、迷い、恐れ、怯えながら選ぶことでしょう。しかし、あなたはどんな過酷な、非道な選択であっても、それが正しければ躊躇なく選びました。
……そんな姿に、私も恐ろしさを感じたことがありました。
だからこそ、『王は人の心が分からない』と叫んだ騎士の気持ちは……私にも分かりました。
滅亡の淵に追いやられた国を救うため、あなたは常に王であり続けた……。
滅びから救うため、間違うことは許されず、全ての期待を背負い、進み続けた。
顔色を変えず歩むあなたの姿は、余りにも強く、気高く、輝いていた。
だから、私たちは忘れていたのですね……。
……いえ、ただ見ないようにしていただけなのですね。
…………王よ。
王よっ。
我らが王よッ!!
あなたが我らと同じ、ただの人間であると言うことをっ!!?
あなたはただ、我らの救い手であれッ! 王であれという傲慢な願いを叶え続けていただけだったッ!!
常に清廉であれ、正しくあれ、公正であれ、強くあれ…………。
それは全て我らが望んでいたことっ!!
……守られるべき筈のただの一人の少女に願いをかけ……あなたはそれをただ必死に叶えていただけだったッ!!
平気な筈がないッ!!
何も感じていないことなど決してなかったっ!!
今になって分かるなど……っ!!
余りにも遅すぎるッ!!
何が『王は人の心がわからない』だっッ!!!
わかっていなかったのは、我々の方だッ!!
一人の少女にあらゆる苦難を押し付けてっ!!
自分が選べなからと押し付けたにもかかわらずっ!!
それに応えると、『
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