第六話
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由莉香は言われたとおり自分の記憶を探りはじめる。
由莉香は軍内の人間と多くのかかわりを持っていた。それゆえに、耳にする話も多い。必死に防御壁に関する話を思い出そうとしていく。
そして、なにか思いついたのか、おもむろに話を始めた。
「確か……実験段階では実弾による爆発によわいって言ってたかも……!」
「ほんとか!?」
「うん。でも……爆発物なんてもってないよ……」
由莉香の手持ちは、最低限自分の身を守れるものしかない。俊司達にいたってはもっているわけがない。せっかく有力な情報が現れたというのに、なにもすることができなかった。
だが、そんな中で少年だけが笑みを浮かべていた。
「それで十分だよ」
「えっ……でも……」
「持ってないなら代役を使えばいいさ」
そう言って俊司が取り出したのは、一枚のスペルカードだった。
「だめだよ俊司君! この世界の弾はすべて吸収されちゃうんだよ!? スペルカードで爆発物を作り出しても破壊はできな……」
「ごめん由莉香、俺は弾幕作れないんだよね」
俊司は少し笑いながらそう言った。
「え……じゃあどうやって……?」
「弾幕は作れないけど……俺にはこいつがあるから」
そう言って俊司が彼女に見せたのは、普段使っているハンドガンだった。
ハンドガンが出す弾は通常の弾以外にも、麻酔タイプのものがある。しかし、爆発する弾を発射するとは聞いたことがなかった。由莉香は訳が分からずに首をかしげる。俊司はそれをみると、いそぎ口調でしゃべり始めた。
「スペルカードは弾幕だけじゃないってこと。これでわかるか?」
「え……」
「……まあ、実践してみるから見ててよ」
そう言って俊司は防御壁と向かいあった。
「早苗さん。もう少しだけ耐えてください」
「はい……もう少しなら全然大丈夫です」
「ありがとうございます。あと、みなさんすいませんが……少し距離をとっておいてください」
「わかったわ……」
咲夜達は言われた通り俊司から距離をとる。それを確認した俊司は、心を一旦落ち着かせてから、カードに念を込めていった。
(確実に成功するとは言い切れない……でも、やるしかない)
覚悟を決めた俊司は、ゆっくりとカードを発動させた。
変換『科学で証明されし弾薬』
カードの効果が発動した瞬間、俊司が握っていたハンドガンが、一瞬閃光手榴弾の光くらいまぶしく光り始った。
だが、それ以降はなにもなく
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