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魔法少女リリカルなのはA's The Awakening
第三話
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誕生日で星天の書が起動したことでアスカと出会った。当時は名前がなく、感情もロクに表さなかったとか。



「お待たせいたしました。ホットケーキセットでございます」
「あ、ありがとうございます」
「いえいえ、ごゆっくりどうぞ」

 ふと彼が過去を思い出しながら苦笑していると、先ほどの女性店員が注文の品を届けに来たので、中断して受け取る。周囲に爽やかなレモンの香りを漂わせながら、ホットケーキにシロップとバターを塗って、フォークとナイフで切り分けていく。

「うん、うまい」
「いつもありがとう。最近よく来るね?」

 そう彼に話しかけた男性は翠屋の店長。大学生の息子がいるらしいが、そうとは見えないほど若々しい。

「つい最近大阪からこっちに越してきましてね。こんなうまい店があるとは知りませんでしたわ」
「妻が喜ぶよ。ゆっくりしていってくれ」
「ええ」
「しかし大阪からか。転勤か何か?」
「まぁ、そんなところですわ。あ、後でシュークリーム包んでもらえます?」
「わかった。桃子ー?」

 彼はそういうと裏へと向かっていく。シュークリームの在庫確認だろう。

 食べ始めてからしばらくすると、来客を告げるベルが鳴り響くと同時に、姦しい声が聞こえてきた。

「あー、お腹すいたー!」
「にゃはは、アリサちゃん待ちきれなかったんだね……」
「仕方ないよなのは。ここは何食べてもハズレがないし」
「あはは……」

 彼自身何度か顔を見たことはあるが、声をかけたことはなく名前すら知らない四人組の少女たち。彼女たちが来るとどこか和やかな空気へと変わっていくその瞬間は、彼自身ある意味で楽しみにしていたりもする。

「さて、これ食ったらシュークリーム買って帰るか……みんな楽しみにしてるしな」

 つぶやきながらホットケーキを口に放り込んでいく竜二。そんな中、一人の青年が店に入ってくる。

「みんな早すぎやて……もうついたんかい?」
「遅いよー直人さん!」
「さぁ、遅刻したお詫びに全員にケーキセット奢りなさい!」
「あ、アリサちゃん、それはいくらなんでもエグいと思うの……」
「うるさい!こんな可愛い女の子たちを待たせるなんて言語道断!」
「まぁ、こないだパチで8万買ったからええけどさ……」

 会話の中身そのものに特に変わったものはなく、奢らされる男がかわいそうだな、というくらい。しかし、そこに来た男は、竜二の知り合いにどことなく似ていた。

「あれ?そこにおるの……」
「誰のこと?」
「いや、そこで一人でホットケーキつついてるの、もしかしたら知り合いかなーと思ってな」
「やれやれ、話あるならさっさと済ませてきなさいよ?」
「はいはい、お姫様」

 どうやら彼女たちの中では、アリサという少
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