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魔法少女リリカルなのはA's The Awakening
第三話
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とある日の昼間。竜二はショルダーバッグを提げて海鳴市の都市部にある楽器店にやってきていた。看板には「JS楽器」と書かれている。
「おはよざいますー」
「いらっしゃ……ああ、おはよう八神君。そろそろ出勤時間だったかな?」
「まぁ、そうですねぇ」
彼に返事をしたのは紫の長い髪を持つ青年で、白の長袖シャツに青いジーンズ、店のロゴが入った深緑のエプロンという姿。竜二も似たような姿だが、半袖の白いポロシャツを着ている。胸元に付けられた名札の下に「店長」と書かれた紙を入れたプラスチックケースが提げられている。
「着替えたら今日は、各楽器のチューニングからお願いできるかな?私はあまり動きが早くなくてね」
「わかりました。つーかそれ前も言ってませんでした?」
「あれ?そうだったかな」
「若いうちからボケんで下さいよ店長」
「ああ、いかんなこのままでは。本当にボケてしまいそうだ」
そういって更衣室へと入っていく竜二。横で作業しながらそれを眺めているのは小太りな坊主頭の青年だ。彼も似たような格好ということは、これがこの店舗の制服なのだろう。
「しかしまぁ、どう見ても人足りてませんよねぇここ」
「Rising Force、STORM BRINGERの八神竜二が働いているとなれば、有名にもなるかな、と思ってな」
「おかげで店回ってないでしょうが今」
事実、竜二が働いているという触れ込みだけで客は増えている。彼にアドバイスをもらおうとした人もいれば、サインをねだるものも。表向きは解散して姿を消したとはいえ、アマチュア界ではまだまだその名が消えることはない。
「うぐっ……い、いや、スタッフの募集はしているんだよ?これでも」
「そのくせ誰も面接に来ないじゃないですか」
「ぐぬぬ……」
青年の突っ込みに、返す言葉もない、といわんばかりに言葉に詰まる店長。これも事実で、一緒に働きたくても竜二が恐れ多いという人はただ眺めているだけだし、そもそもそんなに詳しくない人は楽器店のアルバイトなど受けに来ない。
「まぁ、数多くの楽器店が彼を欲しがってましたし、いいっちゃいいのかも知れませんけどね」
「事実、彼目当てのお客様も結構増えてきているよ。彼が開くボーカルスクールとギタースクールもなかなかの人気だ」
「予約殺到ですもんね。県外からも」
わざわざ他の市だけでなく、県外からも生徒が集まってくるのだ。会いに行けるちょっとした有名人ということで話題にもなっている。
「なぜプロデビューしなかったのか不思議なくらいだよ。まぁ私としてはその方がいいといえばいいがね」
「自分の店舗の売り上げにつながるし……ていうか店長、書類仕事と電話応対しててください。接客とかは俺と彼でやりますから」
どうやらこの店長
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