暁 〜小説投稿サイト〜
おいでませ魍魎盒飯店
Episode 3 デリバリー始めました
ロングディスタンスコール
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の答えだが、空間を越えるというのは生半可なことではない。
 だがこのケットシーたち、尊大でお調子者ではあるものの、基本できない事は出来ないとハッキリ言う奴らである。
 信じ難い話だが、おそらく可能なのだろう。

「その通り! 射程距離は無限じゃニャーけど、西の砦までならなんとか範囲内だニャ。 ウチの兄弟の一人を西の砦まで送り届ければ、後はどんだけでも弁当を一瞬で送り届けることが可能ニャ。 これで万事解決だニャ」
「……おぉ!」
 マルの言葉に、騎兵が喜びの声を上げる。
 おもわず駆け寄って手を握りそうない勢いだったが、さすがに完全武装の騎兵は威圧感が強すぎたのか、リージェン兄弟が後ずさりする。
 さすがにそんな反応を見せられては近寄ることも出来ず、騎兵は離れた場所で軽く一礼するに留まった。
 もしかしたら、元が盗賊だけにケットシーたちは衛兵の類は苦手だったのかもしれない。

「ふぅん……その話が本当ならば輸送はなんとかなりそうね。 あとは実際に料理を作る段取りだけど……」
 その横で、キシリアは次の問題について思案をめぐらし、チラリとケットシーたちを見やる。
 
「助手が二人になると今日は仕込みだけで徹夜になりそうね」
 メニューの作成から材料の買出し、そして実際に料理を作るともなれば、時間はいくらあっても足りない。

「「……へ?」」
「さて、誰と誰がここに残るのかしら? ……今夜は寝かさないから」
 予想外の展開にキョトンとしてこちらを見るケットシーたちに向かい、キシリアはニヤリと意地の悪い笑顔を向けた。
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