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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-16船出(仮)と慕情
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っと海なのね。」
「空と海の境目のことを、水平線と言うんですよ」
「水平線。本で、読んだ。これが、そうなのね。」
「ところで姐御(あねご)は、オレらがいなけりゃどうする気だったんだ?船を動かすにも、戦うにも、ひとりじゃどうにもならねえだろ」
「そうねえ。特に、考えてなかったわねえ。」
「ええっ!?」

 トルネコの発言に、また声を上げるホフマン。

「そのときになったら、どうにかなるかと思って。砂漠のときも、そうだったわね。たまたま、通りかかったキャラバン隊を、(やと)えてねえ。」
「そんな……()()たりばったりって言いませんか、それ」
「運はいいのよ、あたし。昨日も、お話ししたでしょう。」
「……運、ですか」
「その(わり)に、魔物に狙われてるがな」
「そうなのよねえ。その辺で、釣り合いが取れてるのかしらね。」
「……あの。トルネコ。」
「なにかしら、ユウちゃん?」
「やっぱり。ポポロとネネさんに、……!?」

 (なご)やかに、一部脱力感に見舞われて、話し合っていた一行を、衝撃が襲う。

「きゃあっ!?」
「うわっ!?」
「なんだ?」
「魔物だ!」
「……昨日の。」

 揺れの収まった甲板には、昨日、灯台で見かけた、トルネコを追う魔物、ミニデーモンの姿があった。

「キキー!見つけたぞ、トルネコ!」

 身構えていたマーニャの、緊張が(ゆる)む。

「なんだ。昨日の()()けか」
「油断しないで!間抜けでも魔物だ、魔法も使うんだし。ここには(てん)(じょう)もない」
「あー、まあそうだな」
「ミネアさんも結構ひどいですね!」
「ってか、甲板に上がり込まれちまうと、派手な魔法は使えねえな。厄介(やっかい)だ」

 今ひとつ、緊張感に欠ける男性陣。

 作業員に、ミネアが呼びかける。

「こちらで、対処しますから。みなさんは、船をお願いします」

 ミニデーモンは今日も一行の会話には反応せず、トルネコに向かい宣言する。

「お前を食い殺してやるために、ずっと追いかけていたのだ!ここで会ったが、百年目!今こそ、食い殺して」

 少女が抜刀(ばっとう)し、斬り付ける。

「キ、キー!?」
「やらせない。あなたが死ねば、トルネコは、帰れる。あなたを、殺す。」

 魔物はなんとか距離を取り、魔法を唱えようとするが、少女が許さない。
 間合いを詰め、フォークで応戦する魔物と切り結ぶ。

 (しば)呆然(ぼうぜん)と事態を見ていたトルネコが(われ)に返り、魔物の背後に回り込み、少女に加勢(かせい)する。

「ちょっと!襲うなら、あたしにしなさいな!ユウちゃんに、なにするの!」

 退路(たいろ)()たれた魔
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