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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-16船出(仮)と慕情
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「いやー、なんとなく、言わないといけないような気がして」


 朝食を済ませた一行は、ドックに向かう。
 船が完成し、(つく)(ぬし)も無事に戻って、不安の解消された親方に陽気に迎えられ、元作業員たちに船の操作法を教わる。

 ホフマンは船の構造に興味(きょうみ)津々(しんしん)で生き生きと動き回り、ミネアは落ち着いて手順を把握し、少女は真面目に学習に取り組む。

 マーニャが()(いき)()く。

「こういう細けえのは、(しょう)に合わねえんだよなあ」
「言うほど、細かくも無いと思うけど」
「実際、やりはじめちまえば、大したこともねえんだろうが。ちまちま確認するってのが、どうもな」
「兄さんは、実践(じっせん)で覚えるタイプだからね」
「そうなんだよな。いっそ、動かしちまえればな」
「あら、そうでしたのね。なら、動かしてみましょう!」
「ええっ!」

 マーニャのぼやきにトルネコが軽く提案し、ホフマンが動揺する。

「ま、まだかなり、自信が無いんですけど!」
「大丈夫よ。作業員のみなさんも、横に付いてくれますから。むしろ、効率がいいかもしれませんわね。」
「お、話せるな。そう来なくちゃな」
「動かすの、ね」
「ユ、ユウさんは、大丈夫なんですか?」
「うん。覚えた」
「早くないですか!?」
「そうなの?」
「ユウは賢いですからね」
「そういう次元の話なんですか!?」
「ガタガタ言ってんなよ。早えか遅えかの違いだろ、さっさと始めようぜ」

 狼狽(うろた)えるホフマンを後目(しりめ)に、着々と出港の準備が整えられる。
 作業員の(げき)が飛ぶ。

「おら、兄ちゃん!こっちだ!モタモタすんな!」
「は、はい!」
「嬢ちゃん、手際(てぎわ)がいいな!」
「これで、いいのね。」
「お、こうすりゃいいんだな」
「兄さんも、器用なモンじゃねえか!」
「さすがに、勘はいいね」
「こっちの兄さんも、ソツがねえな!」
「さあ!仮ですけれど、出港ですわ!」

 既に覚えた手順を淡々(たんたん)と確認するように作業を進める少女、勘で全てを把握していくマーニャ、時折、作業員に確認しながら、あくまで落ち着いて順当(じゅんとう)にこなしていくミネア、さんざん狼狽え、どやされながらも、なんとか持ち場をこなすホフマン。
 作業員の補助もあり、船は順調に海面を滑り出す。

 ある程度、作業が落ち着いたところで、船を作業員たちに任せ、甲板(かんぱん)に集まる。

「みなさん、お疲れ様でした!少し休んで、航海を楽しみましょう!ほら!天気もいいし、海がきれいですわよ!」
「ほんとね。陸から見るのと、ちがうみたい。海は、ひろいのね。ずっと向こう、空との境目(さかいめ)まで、ず
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