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万華鏡
第二十四話 難波その十一

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「お得な気分だよな」
「そうよね、私もそう思うわ」
「じゃあこの善哉食べて」
「それからね」
「夜になったらな」
 この場合は五時過ぎである。
「今度は鰻とうどんか」
「それかお好み焼きね」
「やっぱりうどんかね」
 美優は笑って言った。
「きつねうどんな」
「それにするのね」
「何かそういう気分だけれど皆どうだよ」
 その二つ並んで置かれている善哉を前にして四人に問う。
「うどんにするかい?」
「ううん、そうよね」
「お昼濃いものばかりだったし」
「それに飲む時は串カツの予定だから」
「それじゃあね」
「晩御飯はあっさり系でってことで」
「おうどんよね」 
 四人は美優の言葉を受けて互いに話した、そしてだった。
 晩御飯はいずも屋で鰻丼を食べてから別の店でうどんを食べることにした、言うまでもなくきつねうどんである。
 このことを決めてだ、四人で美優に顔を向けて言った。
「じゃあね」
「それでね」
「よし、決まりだよな」
 美優も目を細めさせて応える、これでうどんに決まった。
「お好み焼きはまあな」
「今度?」
「今度大阪に来た時によね」
「それか軽くな」 
 何気に入れる美優だった。
「串カツの前に屋台かどっかの軽いの食べるか」
「大阪ってお好み焼きの屋台もあるからね」
 琴乃も言う。
「普通にね」
「だからそうした場所で食べるのもいいだろ」
「確かに」
「じゃあそれでな」
 また言う美優だった。
「お好み焼きも食べないか?」
「賛成。っていうかね」 
 景子は美優の今の言葉に微笑んで答えた。五人共まだ善哉に対してのいただきますはまだだ。
「そうしないとね」
「折角だからね」
 里香も言う。
「大阪に来たから」
「食べられるだけ食べないとね」
「食いだおれよね」
 彩夏は大阪の代表的な桂冠詞を出した。
「まさにね」
「だろ?だからな」
 美優も言う。
「もう食べられるだけ徹底的にってことでさ」
「というか今回私達相当食べてるけれど」 
 昼だけでもだ、琴乃はこのことも言った。
「何かまだまだ入るわね」
「育ち盛りだからだよな」
 美優は琴乃に笑顔で話した。
「だからな」
「それでよね」
「そう、だからな」
「幾らでも食べられるのね」
「人間食べないとな」
「駄目よね」
「ああ、だから今もな」
 食べられるだけだというのだ。
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