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万華鏡
第二十四話 難波その九

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 そのうえでこう言ったのである。
「今の人達もね」
「面白い人達がいるわよね」
「やっぱり」
「やすしきよしは二人であそこまでだったのよ」
 最高の漫才が出来ていたというのだ。
「コンビネーションもあるから」
「そういえばきよしさん今は、よね」
 琴乃がこのことに気付いた。
「漫才はしていないわよね」
「うん、やすしさんが吉本からいなくなってからね」
 漫才を離れてしまった、政治家になり厚生議員の陰のきき役になったがこれはまた別の話である。
「漫才をしなくなったのは」
「そうなの」
「本当に二人でだったのね」
「そうした意味で最高の二人だったみたい」
 やすしきよし、この二人はというのだ。
「それで今だけれど」
「頑張ってるのよね」
 景子は今目の前で漫才をしている二人を見て言う。
「必死にやってるしそれに」
「あの人達凄い努力家らしいわよ」
 彩夏がここでそっと囁く。
「毎日勉強してて」
「そうなのね」
「だから面白いけれど」
 つまらなくはない、このことは確かだ。
 だがそれでもだった、彩夏は言ったのである。
「それでもよね」
「まだやっぱり」
 やすしきよし程でjはないというのだ。
「あの人達の漫才見た後じゃ」
「どうしてもよね」
 こう二人で話してそしてだった。
 五人で漫才を見た、それからだった。
 グランド花月を出て法善寺横丁に向かう、その時に里香が言う。
「一組凄い人達いなかった?」
「一組?」
「そうだったの?」
「ええ、いなかった?」
 こう四人に言ったのである。
「ほら、ブラックアンドホワイトね」
「ああ、あの二人」
「あの二人の漫才ね」
「間もしっかりしてて」
 里香は間から話した。
「それで兼ね合いもネタもよかったし」
「確かに。あの人達よかったね」
「そうよね」
 四人もその二人のことを思い出して里香に返す。法善寺に向かう難波の道は今も人が多く行き交っている。
 その中でこう話したのだ。
「いい感じよね」
「確かに」
「まだ何か荒削りだけれど」
 里香はその二人のそうしたところも見て言う。
「凄くなるかもね」
「やすしきよしみたいによね」
「あんな感じで」
「凄くなるかもね」
 こう話しながら信号を渡った、それから道頓堀に入った。
 そlこの橋、通称引っ掛け橋でだった。
 如何にもという軽い兄ちゃんがこう五人に声をかけてきた。
「ねえ、お姉ちゃん達何処に行くの?」
「はい?」
「何ですか?」
「あっ、金龍ラーメン食べてきたんやな」
 五人が兄ちゃんの方を振り返ると兄ちゃんは笑ってこう言った。
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