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ALO編
episode2 妖精たちとの空中戦2
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は内緒だが。

 一様にこの場の連中を襲った謎の減少だったが、なぜか俺は軽症のようだった。

 見れば下の三人は皆一様に耳や頭を押さえてふらつき、そのうち一人……さっきまで素早くなにかを呟いていた男は症状が酷かったのかがっくりと膝をついている。俺の揺らぎは、あの連中のように体勢を整えられない程ではない。

 よく分からないが、とりあえずチャンスは今しかない。

 「はあああっ!!!」

 いい感じに視界に迫ってきた幹を蹴って落下の向きを変え、急角度で飛び掛かる。狙いは、呪文を唱えていた軽装のケットシーの魔法使い。驚いて慌ててロッドを構えようとするが、その動作は俺からすればあまりにも遅すぎる。

 「ぐ、ぐあっ!!!」

 連続技を見舞って、すぐさま沈める。
 立ち上る黄土色のエンドフレイム。先のノームと異なるのは、種族での対応か。

 そんなことを考えながらも、隙は見せない。
 残る二人からの反撃に備えるべく即座に振りかえった、のだが。

 「ひ、やべっ!!!」
 「に、逃げるぞ!!!」

 二人は既に身を翻しており、得意の随意飛行で飛び去っていくところだった。

 おお、はやいはやい。俺の全力疾走くらいあるんじゃないか?
 まあ、別に是が非でも殺さなきゃならん理由があるわけでもないし、追うのは諦める。

 チビと言われたことを許した訳ではないが。

 「ふぅ……」
 「き、キミ、何者なの…? プーカがたった一人で、四人を相手に……それにあの動き……」

 と、背後から突然声がかかった。
 正直、結構ビックリした。

 いや、いるのは分かってたけど、意識的な視界に入っていなかったというかなんというか。

 振りかえったすぐに見える、驚きと恐怖、そして好奇心の混じった顔。
 若干好奇心の度合いが強いのが、丸眼鏡の下の、ブルーの瞳の輝きで分かる。

 (……ああ、面倒なことになったかもなあ……)

 やれやれ。
 心の中で頭を抱える。

 予想される質問はいくつも思いつくが正直に答えるのが面倒なものばかりだし、なにより俺自身がよく把握していない部分も多い。そして今この世界において、俺は別に一人旅で十分だ。ビジネスライクに生きていくつもりなので、あんまり親しい奴なんていらんのである。

 「はぁ……」

 だが、一応、それをズバリ指摘しない位には、人間が出来ているらしい。
 自分で言うのもなんだが。

 とりあえず、早くも巻き込まれたらしい厄介に、溜め息をひとつついておいた。

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