第三幕その三
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顔を青くさせたままであった。
「言ってみろ」
ロドリーゴはそんな彼を庇い公女を睨んだまま怒気を含んだ声で言った。
「そうすれば貴様は神の裁きを受けるだろう。そして一生後悔することになるだろう」
この言葉も奇しくも的中する、だが公女もロドリーゴもそれはこの時は知らなかった。
「それはどうかしら」
彼女はロドリーゴのその言葉を鼻で笑った。この時は。
「精々今はその忠誠心を誇りにしてらっしゃい」
そして激しい炎を口から吐き出した。
「今のうちだけね」
そしてその場を立ち去った。あとにはカルロとロドリーゴが残った。
「殿下」
ロドリーゴはカルロに歩み寄った。
「何か大事なものをお持ちでしたら私に預けて下さいませんか?」
「君にか!?」
「はい」
「しかし君は父上の腹心なのだろう」
「私を疑うのですか!?」
彼はそれを聞いて哀しい顔をした。
「いや」
カルロは首を横に振ってそれを否定した。
「君の心は今見せてもらった」
彼は先程のロドリーゴの行動を見て言った。
「君は私の本当の意味での友人だ。今の君の行動を見てそれがわかった」
「殿下・・・・・・」
ロドリーゴはその言葉に深い感銘を受けた。
「僕は何があろうと君を信じる。だから君のこれを授けよう」
そう言うと懐からあるものを出した。それは一枚の書類であった。
「有り難うございます」
ロドリーゴはそれを受け取ると感謝の言葉を述べた。
「殿下の御心、確かに受け取りました」
「頼んだよ、僕は全てを君に預けた」
「はい!」
二人は強く抱き締め合った。それは友情の熱い抱擁であった。
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