ALO編
episode2 妖精たちとの空中戦
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
いは完了していた。全力の下段の回し蹴りは、それ自体もダメージ判定を持つ。派手にすっ転んだところに放つ追撃は、《ルーフ・ブレイク》…現実で言う、空手の瓦割り。ヘルメット類を装備していなかった頭部に、凄まじいスピードで炸裂したそれに、男の顔が驚愕に歪み。
茶色い炎を上げて、燃えるようにその体ごと消滅した。
「なっ……!」
「まじかよ……!」
その一瞬の出来事に、他の三人が呆気にとられて固まる。
二連の攻撃で男のHP…まだ六割は残っていただろうそれが、一気にゼロになったのだ。
ついでにピンク女も、口をあんぐりと開けて停止する。
さらに俺も、ちょっと口が開いてた。さっきの「まじかよ」は、俺の口から出ていた。
正直、かなり驚いた。
この世界での、ダメージ計算式は、SAOのそれとは異なる。攻略サイトで見たところその変数は「武器の攻撃力」、「防具の性能」、「攻撃のヒット部」、そして「攻撃速度」の四つ…つまり、SAOで言う所の『筋力値』が関係しないのだ。つまりは敏捷(この世界では反応速度だけで決まるらしい)さえ高ければ、十分な量のダメージが発生することになる。結論、超非力アバターだった俺でも、それ相応のダメージ量を与えられることになる…とは思ってはいたが。
(こいつは、予想以上だ)
確かに当てた二発のどちらも、ちゃんと革製鎧の隙間を突くように入れた。加えて、一撃一撃も、結構な威力を持つ単発の重攻撃だった。だがそれでも、たった三発……実質二発で、あのHPを削り取った。うん、向こうの世界では味わったことの無い快感だ。なかなか気分いいな、これ。キリト達のような攻撃特化やる奴らの気持ちが分かる気がする。
そして、もう一つ。
(こっちも、予想以上だなぁ)
構えたまま、ちらりと右手を見やる。
さっきの《エンブレイサー》は、別に寸止めを狙った訳ではない。
腕の長さが、全く足りなかったのだ。
一応はその危険を考慮して結構深めに……手首まで貫通するくらいのつもりで繰り出していた。
それが、寸止めにしかならないほどに、俺の今の腕は、短い。それはつまり、今まで通りの感覚で技を繰り出しては今の体との差によって攻撃が当たらないということだ。二回目の足払いの蹴り技も、思い描いていたのとはやや異なる軌道だった。
いや、それもまだいい。感覚自体はまた慣れればいいのだが、問題は根本的なリーチの短さか。こればっかりは、頭が慣れてもどうしようもない。ぎりぎりの命の削り合いであれば、それは命取りになるかもしれない。まあ、そこまで切羽詰まった戦闘は、しないつもりではあるのだが。
「っ、な、なんだコイツ、やべえぞっ!?」
「あ、慌てんな、一旦飛んで距離を
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ