ALO編
episode2 妖精たちとの空中戦
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(だって俺、種族強化とかより観光目的だし……)
助ける気は無い。
気は、無かった、のだが。
「なんだコイツ! おめぇの仲間か!?」
「まさか! バリバリの初期装備じゃないかよ! 単なるバカだろ!!!」
「それより今なんつった!? バカにしやがったか?」
四人が、油断なく武器を女の子に突き付けながら、俺の方を睨みつけて威嚇する。
「いやいや、そういうわけじゃなくてだな、」
向こうから突っかかってこられては、俺も自己防衛せざるを得ない。だがまあ、それは誤解だ。確かに思ったことは口に出す前に一度考えるべきだし、口は災いの元ということわざだってある。しかしその誤解を解くのもまた、口だ。弁明をすべく口を開く。なんかピンク女が「はやく逃げてっ!」だの言ってるが気にしない。誤解を解いて快く狩りを再開して貰おうと口を開いて説得を述べようと、
「調子のんなよこのチビが!!!」
予定変更。事情が変わった。
「てめえら全員、皆殺しだ」
口を出る直前だった謝りの言葉を挑発に変えて、俺は地面をけって弾丸の如く男に飛び掛かった。
貴様ら、絶対に許さん。俺の心を傷付けた罪は重い。死罰で償って頂こう。
◆
俺は猛烈に反省していた。
幼い頃から背の高かった俺はそう呼ばれたことが無かったせいで、この言葉が人をどれほど傷つけるかを分かっていなかった。いや、「これは人を傷つける言葉だ」という認識はあったが、本当の意味でその傷の大きさを理解していなかった。
こんなにも、痛いなんて。
だが若干、俺の「傷ついた」の感情表現は、人と異なっていたかもしれない。
それは、世間で言う「怒りの暴走」に近かったかも。
「はっ……!!!」
「なっ……」
一瞬で俺のことを「チビ」呼ばわりした男の眼前に構え、間髪入れずに引き絞った貫手を放つ。かつての剣の世界であれば《エンブレイサー》と呼ばれた、素早い一撃。あの世界でそれこそ数限りなく繰り出し続けたその動きは、ソードスキルのアシストなしでも繰り出せる程に体に染みついている。
すさまじい勢いで繰り出されたその右手が、男の喉元の直前で止まった。
唐突な攻撃に固まった、頭一つは高い相手の顔を睨むように凝視する。
「な、な、なっ…」
「……ちっ」
突然の俺の戦意に対応しきれず、男が手にした武器を構えることすら出来ずに口をパクパクさせる。ケットシーの特徴なのだろう猫耳が、なにを思ってかぴくぴくと震える。俺はそれを機械的に確認しながら……深い位置からの、素早い足払いを放つ。
「う、うわっ!?」
男が慌てて飛び退こうと頭で思ったのだろう、顔に恐怖を露わにした時には、既に俺の足払
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