ALO編
episode2 懐かしき新世界へ2
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なぜここにSAOのデータがある?
混乱がさらに混乱を呼ぶ。
体が現実感を失い、得体のしれない浮遊感に包まれたように錯覚する。
SAOは、もう終わってしまったのではないのか?
それとも、これが夢なのか?俺の深層心理が創った幻想か?
あるいは……再びあの世界に、帰ってきたのか?
彼女の……ソラのいた、そして散った、あの世界に?
……いや、そもそも「散ってしまった」のか?
もし、もしここがあの世界なら。そして俺の仮説が正しかったなら。
―――俺はまだ、ソラを追いかけられる?
「う、うあ……っ、っ!!!」
喉から、くぐもった声が漏れる。
あまりの感情の本流に絶叫しなかったのは、自分でも褒めてやりたい。
だが、それでも俺は、心の揺さぶりのままに走りだした。
どこに行くでも、何を為すでもなく、ただただ想いのままに、全力で。
向こうの世界では『旋風』と呼ばれたその速度で駆け出し、
「へぶっ!!?」
ド派手にコケた。
初速は「あの世界」での一極ビルドで鍛えたそれに勝るとも劣らなかったようで、顔面からつんのめったまま派手に体が地面を滑った。体を巨大なおろし金にかけて摩り下ろしたような不快な刺激は、ここが自種族の領内でなければ相当量のHPが減ったろうと思われる。
「っ、な、なにが……」
言うまでもなく、自分の体がバーチャルの体と違うことを意識しない操作による転倒だ。
仮想世界初心者のようなミスに、ふらつく頭を抑えて立ち上がり、その原因を探そうとして。
「って、なんじゃこりゃあああっ!!?」
……今度こそ、絶叫してしまった。
人が集まってこなかったのは、不幸中の幸いだったが。
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