過去と異世界
ツバサと公式
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が。
風は「流れるor流れない」という問題の中で「風が流れるのは矛盾している。よって風は流れるのはおかしい!」となれば、あとは「風は流れない」としか言えなくなってしまうのだ。
しかし、現実には風は流れている。何故ならそれはこの世が矛盾を揉み消しているからだ。そうして揉み消す力の事を「この世の補正機能」と、呼ぶらしい。
ちなみに、こうやって揉み消された矛盾は単に消えるのではなく、魔物やらレミングスやらとなって形を変えて存在し続けるとのこと。なんともややこしい話だが、俺は何とか理解出来た。
と、2日かけて俺はツバサから色々な知識を貰った。何ともありがたい話である。
では、次はもちろん公式の制作をするわけだが、作り方のコツや実際の公式の中身を見せてほしいと頼んでも公式は矛盾を指摘されれば使えなくなるといった性質上、他人に見せたりは決してしないらしい。
ただ、公式を作り出すプロセスを紙にしたためる事は多いらしく、その紙は普通は肌身離さず持っておくものなのだそうだ。確かに自分の作ったモノをパクられては困るが、その知識を後世に伝えるのも大事と言って感じだろう。ザクッと言ってしまえば特許みたいなものだろうか。
そんな訳で後は完全に自力でやるしかないみたいなのだが、実はもう既にあらかたの事は考えてあるんだ。もし成功すれば、条件付きではあるが瞬間移動が可能になるかもしれない。
瞬間移動が可能なら、もちろん戦闘ではかなり有利に働くだろう。
それから数日、ドンドン仲良くなるグランシェとエリザベータを尻目に俺は一人悶々と公式についての思考を巡らせた。
というかもう二人は親友みたいな感じになっている。短剣を使う武闘派のグランシェに対してエリザベータは長剣に長けているらしく、二人で切磋琢磨し合っていた。大概はやはりグランシェが勝つのだが、グランシェ曰く「気の抜けない相手」らしい。
何だかとっても楽しそうだったが、俺も混ざりたい欲望を抑えて俺は公式作りに専念したのだ。
その結果、俺は見事なまでの完璧な瞬間移動理論を手に入れた。お礼とばかりに俺はツバサに自作した公式を見せると彼女はかなり驚いていたが、公式を見るなり言った。
「何だか私の知らない数学が出ていて、理解は出来ませんが凄いです! こんな数学は初めて見ましたよ!! 新しい学問を開拓するとこんなことも出来るんですね!!」
「数学も多少は出来るからな……」
考古学とは言っても時代の計算の他、様々な時代のヒントを元に、時には高度な計算を駆使して過去の人々の生活を探る時だってある。全ての学問は繋がっているのだ。ツバサから聞いた話だと公式は数学を使っても出来るらしいから使ってみたが、案外作りやすいかもしれない。
俺が今回使って彼女に
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