過去と異世界
ツバサと公式
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っぽく見えるだろう。何だかとっても甘い事を考えている気がするが、他に専門知識だって持っていないんならしかたないだろう。
と、適当な感じ丸出しだったがツバサは幸い信じてくれた。
「哲学者なんて……何だか難しい事を考えているんですね」
目を細めてそう言って来た。哲学者と言って訳された所を見ると、どうやらこの世にも哲学の概念はあるらしい。
と、その時ツバサが不可解な事を口走り始めた。
「哲学者は人の心理や形而上の事なんかの概念的なモノから公式を産み出すんですよね? タイチさんは何かすごい公式を持ってらっしゃるんですか?」
なっ、何なんだ概念から公式を作るってのは……。
「いや、実は僕の研究は公式とは無関係な感じでして……」
「まぁ! 新しいジャンルを開拓されているんですね! 凄いですね……」
そう言ってツバサは目をキラキラさせているが、俺的には自分でドンドン墓穴を掘ってしまっている感じだ。どうやら学者ってのは基本的には公式作りが仕事なのかもしれないな。
なら、今のこのチャンスを逃す手は無いだろう。ココで公式の作り方的なのを教えてもらっておけば、後々に効いて来るに違いない。
「あの、ツバサさん」
「はい? 何でしょう?」
ツバサは相変わらずのキラキラした目で聞いてきた。何だか非常に申し訳ない気分になるからやめて欲しいのだが。
「僕の研究もそろそろ公式を作る段階だと思うのですが、如何せん僕は公式の作り方を知らんのです。良かったら基本的な事とかを教えてくれませんか?」
するとツバサは少し考えてから言った。
「良いですよ、任せて下さい!」
その後レミングスと歩いている最中もツバサはこの世の公式という存在についてドンドン教えてくれた。
公式の基本概念は、人間が式を作り神に進呈し、それを神が行使するというものらしい。
要するに人間が設計図を作り、神がそれを見てその設計図通りのモノを人間にもたらす。といった感じだろう。
そして公式の作り方にも色々とあった。非常に複雑だったが、何とか理解して大まかには3つの作り方に分類されるのだと判明した。
1つは、最初から最後までこの世の物理現象を応用してとんでもない力を作り出すタイプ。
1つは、4次元以上の概念・計算を用いてその結果を3次元に還元してくるタイプ。
最後は、この世に存在する補正機能を利用するタイプだ。
この世の補正機能とは、世界全体が矛盾を消そうとする力の事らしい。分かりやすく言うと、流れる風には「風が流れる」という公式が当てはまっている。しかしその公式には必ず矛盾が存在する。
よって、このままだと風は流れる事が出来ないのだ。背理法というものなのだ
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