三位決定戦です
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今日は三位決定戦です。
多治見大付属高校と鎌倉歴史高校が戦う。
二校とも戦車道の名門。
どちらも一歩も譲らない戦いが今まさに始まろうとしていた。
「これより多治見大付属高校対鎌倉歴史高校の試合を始める。一同、礼。」
審判長である未来君の号令で試合は始まった。
私たちと同い年、それも私より身長が全然低い。
それなのに未来君は大人に見えた。
何故かって?
それは簡単なこと。
この場にいる全員に対しての対応力。
ただの高校生では決して出来ないであろう行動だと私は考えた。
「それでは両校移動。両校の健闘を祈ります。」
そして両校に対する正しい応接。
どれをとっても一流。
『ただ今より大狩流派祭、3位決定戦を行います。』
アナウンスによる試合の確認。
そんなことは誰も言われなくても分かっている。
でも言わなければいけない規則になっている。
『本日の試合は多治見大学付属高等学校対県立鎌倉歴史高等学校です。』
私はアナウンスが終わる前に、観客席前にある大型のディスプレイを見た。
そこに映っていたのは両校の準備が整っていて何時でも始められると言うこと。
「それでは試合開始。」
未来の合図と共に砲弾が一弾だけ打ち上げられた。
三位決定戦にもなると今までとは全然違う。
私は口に出さないけどそう思った。
だって準決勝までは合図だけだったじゃん。
でも今回は砲弾。
少しだが、戦車道らしくなってきた。
戦場はいつもと変わらず演習用市街地。
今回は北部にある森のなかから開始。
「今回は森のなかなんだ。梨華だったら最初はどう攻める?」
私だったらか。
「最初は2方向に偵察を出す。そのあとに周囲を警戒しつつ前進かな。」
これいいかも。
白河の知り合いに教えてあげようかな。
でもリスクもあるよね。
完璧に二両は囮だし。
もし本隊が見付かったら意味がないし。
ある意味一か八かの作戦だよ。
私はそんなことを考えながらディスプレイをみた。
すると鎌倉歴史高校が行動に出ていた。
鎌倉歴史高校の行動はやっぱりお得意の包囲作戦。
多治見大付属高校の勢いでは抜くことは不可能だろう。
「みほ。みほだったらどうやって抜け出す?」
私はみほに色々なパターンを考えてほしかったからみほに聞いた。
そしてこれには正しい方法が一つだけある。
それを言ってほしい。
「抜けることが可能な戦車を探して一斉攻撃をする。だと思うんだけど。」
「60点だよ。」
素人の解答なら100点をあげられるけど経験者には100点をあげれる内容ではない。
「模範回答は、三両で抜けれそうな所を攻撃して、残りの二両で両脇の戦車の砲塔を狙って攻撃をする。これが一番の方法なんだって。」
幼少の時にしつこく教わったからしっかり覚えてるよ。
それに去年
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