第二十三話「懐かしいお友達!」
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いていた。
† † †
イッセーの家でアルバムも見た僕は帰るついでに森永の本社に赴き、社長さんからチュッパチャップスを受け取りに行った。
社長さんとはとある出来事を切っ掛けに知り合い、なぜかいたく気に入られたんだ。それ以降、よくストックがなくなると飴を貰いに行くのだけれど、その際によく「レイくんが来たぞ! 大至急最新作のチュッパチャップスと開発案で提示されていたサンプルを用意しろ! なに、個数だぁ? 三十箱だ!」と大慌てで社員が動いているのを目にするけど、何なんだろうね?
まあチュッパチャップスも補充できたことだし、早くお家に帰ろう。今日の夕食は朱乃お姉ちゃんが作ってくれるらしく、今から楽しみだ。
「んー?」
ふと懐かしい気配を感じた。足を止めた僕は右手側の路地をジッと見つめる。
「おー、久しぶりだねぇ」
闇から滲み出るように現れたのは黒い豪奢な服――ごすろりって言ったかな?――を着た小さな女の子。その姿を目にした僕はあまりの懐かしさに思わず目を細めた。
「ん。久しい、レイ」
「だねー。こんなところでどうしたの? オーちゃん」
無限を司るウロボロスドラゴン、オーちゃん。彼女はてくてくと近づいてくると、僕の袖を小さな手で掴んだ。
「我、レイと次元の狭間に行く。レイとともに静寂を得る」
それを聞いた僕はふにゃっと眉根を寄せた。
「えぇ〜、まだ諦めてなかったのー? 次元の狭間には住まないって言ったでしょ」
「我より強いレイなら、グレートレッド倒せる」
「そりゃあねー、倒せるけど。でも、グレートレッドを倒したところで意味ないし。面白いことが始まるわけでもないしー」
それまで無表情だったオーちゃんが少しだけしょんぼりと気落ちした。
「……だめ?」
「んー、オーちゃんは友達だけど、それでもねぇ」
「そう……。我、分かった」
心なしか肩を落とした様子のオーちゃんは僕の手を離してどこかへ行こうとする。ふと、聞きたかったことを思い出し、その背に声をかけた。
「ねぇ、オーちゃんって今どこで何してるの?」
「我、禍の団にいる」
カオス・ブリゲード? やだ、なにそれ……カッコいいんだけど! 戦隊ものに出てくる悪役みたいな名前だね!
「なに、そのカオス・ブリゲードって?」
「不明」
「ん?」
「不明」
表情を変えずに一言で済ませるオーちゃん。んー、不
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