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一般人(?)が転生して魔王になりました
プロローグ
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 日本のとある所に、巨大な家があった。そこは代々とある一族が住んでいる場所。その家には一人と一柱の女神が住んでいた。
 
 肩にまである黒髪に、整った顔立ち。そして十二歳とは思えない引き締まった肉体を持っていた少年であった。
 
 その少年の名は御剣蓮華。
 
 御剣家百代目当主にして何故かしら前世の記憶を保持している転生者である。

「ええっと、パスポートに、現金、地図に着替えっと、これで良いか」

 
 荷物に海外で必要な物をバッグに入れていく蓮華はチャックを閉め自分の部屋を出る。
 
 そして、一階に降りてソファーに座りながら考えていた。

「さて暫らく、と言っても一週間ほど出てるわけだが、我が家の守護神様をどうしますかね?」

 
 一緒に連れて行く? 行き先がギリシャでギリシャ神話の女神である彼女を? 万が一にもというか考えたくないが、敵視している神と出会った場合、戦いが起こり面倒である。


「何だ蓮華、妾を呼んだか?」

 
 その声と共に現れたのは見た目は幼く、銀色の髪をし、可憐な顔立ちをしていた少女であった。


「いや、ね。ギリシャに行くからどうしようかと迷っていたんだよね_アテナ」


 そう。目の前にいるのは智慧の神、戦神、大地母神にして冥府の神。元まつろわぬアテナである。
 
 まつろわぬ神というのは神話から外れ、好き勝手に暴れている傍迷惑な者達の総称である。
 
 その元とは言え、まつろわぬ神であるアテナが何故、我が家の居座り守護神的な事をしているのか?
 
 それは歴代当主の、御剣家七十六代目当主_御剣泉華(みつるぎ せんか)という歴代最強の女当主がアテナと戦ったからである。
 
 御剣月華は剣技と呪術、そして異能を使いこなす歴代最強と謳われた人物だった。
 
 その人物が家に帰る途中でアテナと出会い、戦い、首を切り落としたが再生されて、負けたとか。
 
 で、その一度殺した褒美に願いを叶えよう的な事をアテナが言い、御剣月華はある事を願ったとか。
 
 その一つが『御剣家を見守ってあげて欲しい』というものであった。
 
 その他にも幾つか約定を言っていったが最初はその一つだけを了承しようとしたが『最強の女神と言ってもこの程度の事が出来ないのね。………ふっ』と嘲笑され、全ての約定を護っている。
 
 その後に、約定を結ばせた本人は百年後くらいにアテナと戦った当時の肉体で死に、天に召されたとか。
 
 ………凄いとしかいいようがないな。神様相手に約定を結ばせたなんて。それと若さの秘訣に関する本でも書いたら絶対に売れただろう。
 
 さて、次は『御剣』という家について語ろう。
 
 先の言からこの家は一般家庭ではない。

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