第22話
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サチ!平気か!?」
黒印を納め、座り込んでしまっているサチの元に駆け寄る
「…うん、一応は」
強がっているが肩が震えている。明らかに過去のトラウマがよみがえったのだろう
「サチさん…」
シリカも心配そうに歩みよる
俺はそっとサチの肩に手を添え、自分に引き寄せる
「サチ、ごめん」
「なんでレイが謝るの?」
「お前を危険な目に――」
そこから先はサチに口を封じられ言葉にならなかった
「何言ってんの、私は生きてるよ…」
「サチ…」
両手をサチの背中にまわし抱き寄せた
生きていることを喜びながら
「…えぇとぉ。私を忘れてません?」
「あッ!う、ううん!忘れてないよ!!」
「いま「あっ」って言いましたね!?」
顔を赤く染めてバッと離れた。俺は少し惜しいきもしたが、当初の目的が果たせていない。リズが今頃、首をながーーくして待ってるだろう
「クエストは終わったから急いでお使いを終わらせる。けど、サチとシリカは待ってて良いぜ」
それはもちろんサチの「気」を思っての提案だ
しかし…
「私は大丈夫だって!」
「いや、だけど…」
「レイが守ってくれるんでしょ!?」
上目づかい。苦手だ…
俺はしぶしぶ2人を連れていくことにした
「じゃ、とっとと終わらせる…ぜ。はぁ――」
ボス部屋から出ようと思い振り返ると部屋の入り口には大量の≪ランクラン≫の姿が
「レイさん、サチさん…」
「はぁ、とにかく、行くぞ!」
黒印を抜き、戦闘に備える。が、≪ランクラン≫はなにやら友好的に近寄ってきた
「あれ?2人とも待って!」
サチがストップをかける
俺は急ブレーキをかけて≪ランクラン≫の手前で停止した
「レイ、クエストの報酬じゃない?」
「あぁ、なるほど!」
「そうかもです!」
サチの言葉を信じ、大量の≪ランクラン≫に近づく。ちなみに容姿は真っ赤に戻っている
『ゴラゴラ、ドウゥン』
訳「ありがとうございます!お陰でわたしたちの山が救われました」
「とりあえず、報酬を早くしてもらえんかな?」
通じるとも思わなかったが急いでる俺はつい、話しかけてしまった
すると、驚くべきことに
『ゴォ!?ゴゴウゥ。ドウゥウン』
訳「失礼、前置きは無しにして、ささやかながら報酬の方を」
「お!?おぉ」
渡された報酬はなんと≪紅蓮石≫×30だった
これで依頼達成だ。手間が省けたな
「レイさん、シリカさん。これでお使い終了ですね♪」
「うん!帰ろっか!」
「ふうー。疲れたなぁ」
転移結晶を取り出し、≪フエルトリ山≫から脱出する。そして、リズの待つ武具店へ向か
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