第3話 湯上りのフルーツ牛乳は基本だそうですよ?
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最初から白娘子さんの能力を封じた上で、ギフトゲームを挑んだと言う事なの?」
いや、完全に封じたと言う訳では無く、封じられる可能性を持った呪法を行った上でゲームを挑んだと言う事なのでしょうが。
「はい。そうしなければ、私では、白娘子さんとのギフトゲームに勝利する事は、絶対に出来ませんでしたから」
美月の問いに、軽く首肯いた後に、あっさりと答えを返すハク。
そして、彼女の答えは正論。
何故ならば、ここは白娘子の支配する河の領域。
その土地を支配する神が、その土地の霊気を一番効率良く操る事が出来る。普通に戦った場合は、この大原則を覆す事が出来る存在はそう多くは有りません。
それに、その土地神。この河の場合は白娘子の能力如何に因っては、少々の小細工など意味を為さない可能性も高いはずです。
人間と土地神。いや、彼女、白娘子の場合は未だ自然神ですか。自然神との間には、計り知れない程の能力差が有りますから。
つまり、それぐらいの準備を為す程度の用意周到さを持った存在だと言う事なのでしょう。この、ハクと名乗った少女は。
そう考えてから、美月は白娘子と、そして、自らが召喚した少女の顔を順番に見つめた。
見た目の色白で、何時も春の穏やかな微笑みを絶やす事のない良家の子女と言う雰囲気の少女なのですが、見た目よりは、余程頼りに成る相手だと言う事は判りました。
この、龍の気を纏う、と大河の主に表現された少女が。
そう美月が結論付け、周囲にまた春の風。そして、永久に流れ行く河の気。そして、長閑な春の陽光が織りなす世界が訪れた。
それは、美月とハクがこの場に訪れる前から存在していた、この場により相応しい世界。
そして、次の瞬間。
「そうしたら、白娘子さん。私のお願いを聞いて貰えますか?」
……と、そうハクは、自らが真名を支配したこの河の主に問い掛けたのでした。
☆★☆★☆
「……まことに泉湧き成らしめて、八百万の神諸共に」
魔の風が吹き、精気を失った廃墟の村の象徴。完全に干上がって仕舞った水源。其処に、ハクと、そして美月二人の祝詞の唱和が響き渡る。
しかし、違う。そこは、先ほど訪れた時とは違う雰囲気と成って居た。
風に因って集められていた砂や瓦礫は既に綺麗に掃き清められ、在りし日の姿に近い様相を取り戻しつつ有る状態。
ここに、本来、この場を占めるべき主が帰還すれば、ここは、在りし日の姿を完全に取り戻す事が出来る。
「平けく安らかに聞し召せと、恐み謹み申す」
清水を呼ぶ祝詞を唱え終わり、最後に柏手。いや、今回の場合は、開手と表現した方が良い。開手によって
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