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Dies irae~Apocalypsis serpens~(旧:影は黄金の腹心で水銀の親友)
第三十六話 聖戦の激闘
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合っている。互いが全力を尽くし、互いを喰らわんとしている。だが、徐々に、ほんの僅かに鬩ぎ合いに揺れが生じだす。瞬間的な再生を果たし、傷が消えたラインハルトと少しずつ治癒されていく蓮の傷。どちらが不利かは明らかだ。そして、それは目に見える形で傾いている。
「クソ―――――」
追い込まれていることを認識しつつもどうすることも出来ない。今の状態ですら全力だというのに、それらの攻撃は抑え込まれている。このままではそう遠くないうちに敗北する。そう思い、故に現れる。
『だったらこういう時こそ、手を貸してやるべきだよね』
『フン、貴様らの限界はその程度なのか?』
聞こえた声は聞き覚えがある、だが同時にここにいるはずのない人間の声だった。
「ティトゥスに…カリグラだと……」
実際ありえない。彼らは死を迎えたし、俺たちに手を貸しはしても決して味方ではなかったはずなのだ。
『仲間外れとはひどいね〜。せっかく手伝う気満々だったのにさ』
『勘違いするな。貴様の想像通り、俺は手を貸すだけだ。あとは知らん。隙を見せれば今度こそ殺すぞ』
一時のものだが、彼らは俺に力を貸すという。ティトゥスは司狼の下で、カリグラは剣に身の内の残滓を残していたのだろう。故に、
「なッ――――――!?」
燦たりと輝いていたラインハルトの黄金が霞む。それを見て蓮は気付いた。アルフレートの創造が掻き消されていることに。
「そうか、ナウヨックスの残身か―――――」
ラインハルトは驚きこそ見せるが、そこに悪意ある感情は見られない。むしろその顔を狂気的なまでに歓喜に震わせていた。
「面白い……まだ私を魅せるか。未だ飽きさせぬか。味方成り得ぬ他者すら呼び、私に立ち向かって見せるか。そうでなくてはな――――」
聖槍が弾かれ、ギロチンも刃先を滑らされる。互いの魂を掛けて撃ち合い続ける。
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