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Dies irae~Apocalypsis serpens~(旧:影は黄金の腹心で水銀の親友)
第三十六話 聖戦の激闘
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なのかもしれない。

「はははははははははははははははははははははは―――――――――――――――――ッ!!」

天を突き破る哄笑と共に、ラインハルトは歓喜というものを初めて知った。奇跡を超えた超越が、吹き荒れる魔力と共に今そこに立つ。
爆風によって立ち起こった杭の粉塵を払うかのように上へと放たれる弾丸。見覚えがある。それは遊佐司狼の銃弾なのだろう。その一撃は天高くまで上り詰め、そして月を破壊した。
何だそれは、無茶どころか道理が罷り通るようなことじゃないだろう。たった一発の弾丸が月を撃ち抜き創造を砕いたのだ。理屈じゃ理解できるようなことじゃない。だが、

「美しい……」

今彼の周囲に守護する星のごとく旋回する聖遺物達。それらはなんと美しいことか。称えよう。私とは違うがまたこれも一つのレギオン。
遊佐司狼が奪い取り、揮っていた血の伯爵(エリザベート・)夫人(パートリー)
確かにカリグラとの戦いで粉砕されたのを確認したはずだが、いかなる奇跡によってか再生を果たした緋々色金(シャルラッハロート)
その自我を失いながらも、愛したものの呼び声に答えアンナ・シュヴェーゲリンとして向かい立つ、魔術の数々と司狼とはまた毛色の違った血の伯爵(エリザベート・)夫人(パートリー)
この戦いに立ち上がり、また自らの信念を突き通した戦乙女(ヴァルキュリア)の剣、戦雷の(スールズ・)聖剣(ワルキューレ)
更には聖槍を模し、造られた血統の(ごう)ともいえる黒円卓の(ヴェヴェルスブルグ・)聖槍(ロンギヌス)
己が戦友(カメラード)と共に歩まんと、裏切りを見せた英雄の機神・(デウス・)鋼化英雄(エクス・マキナ)

「くく、くくくくくく……」

なんと素晴らしい、未だなお、彼に刃向う者がこれほどいるのだ。彼の覇道はますます栄光に輝くことだろう。

「聖遺物を操るための聖遺物……」

“あれ”に相性などありはしない。彼の持つ聖槍を例外にして、おそらく総ての聖遺物を使いこなせる唯一の者だ。故に彼と同等、或いはそれ以上に……

「私が犯した罪は (War es so schm?hlich,―― )
心からの信頼において あなたの命に反したこと (ihm innig vertraut-trotzt’ ich deinem Gebot. )」

回る戦姫の剣が帯電し、魂に刻まれた歌唱を歌う。そして、

「血の道と 血の道と 其の血の道 返し畏み給おう 」

謳われる詠唱は数を増やす。それは彼らの絆を示すが故にか。

「かれその神避りたまひし伊耶那美は (Die dahingeschiedene Izanami wurde auf dem Berg Hiba )」

どちらにせよ、これ
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