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Dies irae~Apocalypsis serpens~(旧:影は黄金の腹心で水銀の親友)
第三十六話 聖戦の激闘
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「ああ、日の光は要らぬ。ならば夜こそ我が世界
夜に無敵となる魔人になりたい
この畜生に染まる血を絞り出し、我を新生させる耽美と暴虐と殺戮の化身――闇の不死鳥
枯れ落ちろ恋人――
死森の薔薇騎士 (Der Rosenkavalier Schwarzwald )」

「がああああァァッ―――」

立てない。痺れて握力すら覚束ない。総てがラインハルトに吸い上げれられるかの如く、蓮の力が奪われていく。
月は紅く、真紅に染まっていく。血で飽食された夜の異世界。

「ヴィル…ヘルム……?」

彼の能力を蓮は知らないが、気配が間違いなく彼だと知らせていた。

「その業は吸収、略奪。私のグラズヘイムとよく似た技であり、また弱体化を狙うという点でも能力の形としてはナウヨックスとも相似している。あまり好みではないが、卿らに敗れ去った愛児の祈りだ。一矢報いさせてやるのが親というものだろう」

疲労感と息苦しさを感じ、明らかに体力を奪われているのだと蓮は理解する。なまじアルフレートの創造で総軍(レギオン)が力を増しているせいか、吸性の勢いは異常を通り越して偉業だ。蓮は立つことすらまともに出来なくなりそうになる。

「卿は自分で思っているほど惰弱ではない。まだ足掻くだろう。であれば容赦はせんし、念には念だ。ナウヨックスの業を事前に使ったのも高く評しているがゆえにだ」

剣戟を鳴らしながら部隊が迫る。躱せと体に鞭を打ちながら蓮は迫ってきた軍勢から逃れ出る。

「第7―――SS義勇山岳師団(プリンツ・オイゲン)

上へと飛び上がったその瞬間、軍勢が銃を、剣を、牙を剥けこちらに迫る。だが、ぎりぎりで躱しきった蓮は気付く。誘導されたことに。

「止まったな」

運命の槍に満ちる神気。満ち溢れる破壊力。その一撃を受ければ、誰であろうともただでは済まない。

「加減はせんぞ。もはやそんなのものは生涯せん。ここで終わるならそれまでのことよ。私は星々の果てまで怒りの日を進軍させる。さらば(アウフ・)、眠れ(ヴィーターゼン)――――――とならぬことを祈ろうか」

そして黄金が放たれ、爆光する。発言通り、その一撃はまるで加減がされていない。

「――――――――クッ!」

空中にいる誘導された以上、回避は不可能。動けたとしてもより大きな隙を見せ、待ち構える軍勢によって蹂躙されることだろう。そして蓮自身、躱す気はなかった。

「―――がああああァァッ!!!」

刃を盾にし、黄金の破壊を撒き散らす槍を必死に逸らす。受け止め、弾くことは不可能と判断した。或いはラインハルトの見せた創造がヴィルヘルムのもののみだったなら、まだ可能だったかもしれない。だが、アルフレートの創造によって地力そのものが格段に上がっ
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