第二十七話 少年期I
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「ここがクラナガンでも大きい公園だ」
「おぉ、確かに大きいなー」
きょろきょろと楽しそうに見渡すこいつを見て、やっぱりガキだなー、と俺は心の中で思う。それを口に出してもよかったが、たぶん効果はないなと感じたので言わないでおいた。短時間しか一緒にいないはずなのに、理解できてしまう自分に泣きたくなった。
というか、ある程度耐性つけて対処法を知っておかないと、無駄に疲れるとわかったからだ。道案内の言質も取られ、この道中でも会話をしながら進んでいたし……なんか慣れた。あとちなみに、繋ぎっぱなしだった手はもう外れて自分の足で歩いている。
それにしても、どうしてこんなことになったのだろう、という疑問が俺の中でふと芽生える。だけどその理由をすぐに思い出し、俺は口元にフッと笑みを浮かべた。人間諦めを持つことが時に大切である。今日その言葉の意味がすごくよくわかったよ、俺。
「それにしても、なんか公園が俺の予想通りすぎて少し拍子抜けた」
「お前は公園に何を求めているんだ」
「だって魔法と科学文化上等の世界の中心地にある公園だぜ。だから公園も超進化を遂げていて、空飛ぶブランコや海中トンネル滑り台とかがあってさー」
それはもはや公園じゃない。そんなものを求めるな。こいつの頭の中にある憩いの場所は、俺とは違う次元のものになっているらしい。
『もうますたー、そんなのがポンッと公園にあったら危ないですよ。保護者の方だって心配されます』
「えー、面白そうなのに」
持ち主と同じようになんかおかしいデバイスだが、考え方は一般的だったらしい。そこらへんは俺も安堵に息を吐く。さすがに2人相手だと俺が疲れる。分散するなら大歓迎だ。
それにしても、俺って意外に適応力が高かったんだな。初めて知った。できればこんなかたちで知りたくはなかった。だけど大丈夫だ。俺ももう慣れてきたんだし、平常心を忘れなければ問題はないだろう。
『なので遊具だけではなく、ちゃんと子どもたちの安全に配慮された公園ガーディアンみたいなロボもいないと駄目ですよ!』
「おぉ、確かに安全面は大切だな。あとロボにはカッコよさも必要だ。シャッキーン! って登場してくるとかすれば、子ども達の心もわしづかみだ!」
「お前らもう夢の国にでも行ってこいやッ!」
駄目だ! やっぱりこれに慣れたら俺が駄目になる気がするッ!!
とりあえず公園の入り口にずっといるのもあれなので、中に入ることにした。俺もこの公園にはあまり足を踏み入れたことがなかったため、だいたいの位置しかわからない。見晴らしもよくて平坦な場所だし、巡回する民間警備員もいるため下手なことができなかったからだ。
しかしまさか、この俺がガイドまがいなことをする日が来るとは。めんどくさか
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