鉄球を操る純粋無垢な少女
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かったのか、完全に空気を呑まれている。
名前を聞いた華琳は許緒の眼を真っ直ぐに見つめて。
「許緒、ごめんなさい。」
頭を下げた。
その光景に誰もが息を呑んだ。
「あ、あの・・・」
「名乗るのが遅れたわね。
私は曹操。
山の向こうの陳留で刺氏をしているわ。」
「山の向こう・・・?
あ・・それじゃあ!?
ご、ごめんなさい!!」
華琳の名前を聞いて、許緒はすぐさま頭を下げた。
悪い事をして怒られた子供のように、少し脅えながらも謝罪の言葉を口にした。
「山向こうの街の噂は聞いています!
向こうの刺氏さまはすごく立派な人で、悪いこともしないし、税金も安くなったし、盗賊も少なくなったって。
そんな人に、ボク・・・ボク!」
自分の勘違いである事が分かった許緒は自分を責めている。
そんな少女に華琳は優しい口調で話す。
「構わないわ。
この国が腐敗しているのは、刺氏たる私が一番知っている。
官職と聞いて許緒が憤るのも無理はないわ。」
「で、でも・・・」
「だから、許緒。
あなたの勇気と力、この曹操に貸してもらえないかしら?」
「え・・・ボクの力を?」
一瞬、横目で俺の眼を見てから。
「私はいずれ大陸の王となるわ。」
堂々と同じではあるが違う王を目指す俺の前でそう告げた。
「けれど、今の私は小さく少なすぎる。
だから、村の為に振るったあなたの勇気と力を私に貸して欲しい。
あなたの村や、他の村、この国の人々は平和に暮らせるような国を作る為に王になる。」
「この国の王に・・・」
「曹操様!
偵察の兵士の報告によると、敵の本陣はすぐ近くとのこと!」
先程放った偵察の部隊の報告を聞いた、桂花が報告する。
「分かったわ。
許緒、まずはあなたの村を脅かしている盗賊団を根絶やしにする。
それまでの間だけでも良いから、力を貸してもらえないかしら?」
「はい、それならいくらでも!」
「では、春蘭、秋蘭の元にひとまず下に付けるわ。
何か分からない事があれば、彼女達に聞きなさい。」
「はい、それとお兄さん。」
目を伏せながら許緒は俺に話しかけてきた。
「何だ?」
「さっきは、ごめんなさい。」
ぺこり、と頭を下げるのを見て俺は軽く笑みを浮かべながら。
「気にするな。
それだけ村の皆が大事だったって事だろう。
良い事だ、大切にしろよ。」
「うん!
ありがとう!」
「では、行軍を再開するわ!
総員、騎乗!」
掛け声と共に、俺達は馬に騎乗する。
すると、星と月火が俺の傍にやってきてニヤリ、と含みのある笑みを浮かべて言った。
「負けられ
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