鉄球を操る純粋無垢な少女
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がやってきた。
「うん?
追いついたか。
華琳、こっちだ。」
「っ!」
「縁、謎の集団と戦闘があったと聞いたのだけれど、どうなったの?」
賊の追跡の任務を言い渡した時に、ついでに本陣にも報告するように指示しておいた。
「春蘭と俺とこの子と戦って、逃げたよ。
今は奴らを追跡して、本陣まで案内してもらっている。」
「さすがね。」
「あ、あなたは・・・」
華琳に報告していると、少女は険しい表情のまま華琳に視線を向けている。
どことなく敵意が籠っているのは気のせいだろうか?
「お兄さんたち、国の軍隊?」
「そうだが。」
答えた瞬間、鉄球が俺に向かって振り下ろされた。
突然の少女の攻撃に驚いたが、理性よりも早く本能が身体を動かし刀で鉄球の軌道を逸らす。
が、あの小さい少女の身体とは思えないくらいの力を感じた。
鉄球と言う重量武器も相まって、逸らしただけで軽く手が痺れている。
なるほど。
確かに直撃を喰らえば、人間なんて簡単に宙を舞うな。
少女の突然の行動に皆は驚愕の表情を浮かべている。
「何のつもりだ?」
軽く殺気を込めた声で少女に問い掛ける。
敵意を剥き出しにし、牙を剥きながら訴える。
「国の軍隊なんか信用できるか!
税金ばっかりとって、ボク達の村を守ってくれなかったくせに!」
少女は何度も鉄球を振り回しながら、不満をぶつけてくる。
どうやら、華琳に助けを求めた役人は俺が思っている以上に職務怠慢な奴らしい。
この分だと、我が身可愛さに華琳に全てを任せ、街を捨てて逃げているかもしれないな。
真面に受けず、その力をいなし逸らしていく。
「だから、一人で戦っていたのか。」
「そうだよ。
ボクが村で一番強いから、ボクが皆を守らないといけないんだ!
盗人からも、お前達役人からも!!」
どうする?
今の少女は頭に血が上っている。
力は相当なものだが、攻撃の軌道が単純で既に見切っている。
ここで無力化させて話を言い聞かせるか?
華琳達をここを統治する奴と勘違いしているみたいだし。
その時だった。
「二人ともそこまでよ!」
凛とした鋭い声が間に入ってきた。
「えっ?」
「二人とも剣を収めなさい!
縁もそこの少女も!」
「は、はい!」
華琳の気迫に当てられ、言うとおりに鉄球を地面に置く。
かなり重いのか置いただけで、地面にめり込んでいく。
直撃すれば氣で強化していても、骨が数本は折れるだろうな。
「縁、この子の名前は?」
「まだ聞いていない。」
「許緒と言います。」
萎縮したのか、許緒と名乗る少女は自分の名前を告げる。
村では華琳のような威圧的な人はいな
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