鉄球を操る純粋無垢な少女
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決まっている。
春蘭の猛攻を見た賊は本体と合流しようとすると予想される。
討伐の対象である賊の集団は、今どこに本陣を構えているのか不明。
だったら、撤退する奴らを泳がせて本陣の場所を教えて貰うのが一番効率がいい。
それも春蘭が全滅させてしまったら意味がない。
俺は偵察部隊に撤退する賊の追跡任務を言い渡し、春蘭を追いかける。
集団に近づくと、馬鹿でかい鉄球を持った一人の少女と剣を構えた春蘭が賊と戦っていた。
身なりからして賊であるのは間違いない。
先程、賊を上空を舞った原因はおそらく少女の鉄球を受けたのが原因だろう。
少女は肩で息しているのを見る限り、一人で戦っていたのが分かる。
とりあえず、俺は馬を足場にして少女の後ろから斬りかかろうとする賊の首元を狙って、跳び蹴りをかます。
「あぶぁ!?」
骨が折れる感触を感じ、賊は吹き飛ぶ。
「えっ?」
俺の登場に少女は目を丸くする。
「くそ、逃げろ!」
俺と春蘭、そして後ろに見える偵察部隊を確認した賊の一人が逃げ出す。
すると、それに釣られて他の賊も逃げ出していく。
「待て!
一人残らず叩き切ってくれるわ!!」
「あい待った。」
「んな!?」
なりふり構わず突っ込もうとする春蘭の長い髪を掴む。
前に行こうとして後ろ髪を掴まれてしまい出鼻を挫かれ、こちらを睨んでくる。
「どうして止める!」
「お前にはツッコミたい事が山ほどあるが、ともかく落ち着け。
あいつらを全滅させてもいいが、あいつらはこれから討伐する賊の集団の一部隊だ。
後ろからこっそりつけて、奴らに敵の本陣まで案内してもらおう。」
「ふむ・・・・・そうだな。
誰か」
「既に指示は出した。
どこかの愚か者が何も考えずに跳び出すからな。」
「その愚か者とは私の事か?」
「そう言ったつもりだが?」
「貴様、よもや私を愚か者と称するか!!」
「テメェの頭は鶏以下か!!
さっき言った事を思い出してみろ!!」
「そんな些細な事を一々覚えていられるか!」
俺と春蘭が討論なのかよく分からないのをしていると。
「・・・・あ、あの。」
おずおずと少女はこちらの顔色を窺いながら話しかけてきた。
言い合いしている俺達に話しかけずらいのだと分かった俺は、春蘭の件は後で問い詰める事にして、少女を気に掛ける。
「大丈夫か?
見た所怪我はないようだが。」
「はい!
おかげで助かりました!
ありがとうございます!!」
「それは何よりだ。
しかし、なぜこんな所で一人で戦っているのだ?」
俺との口喧嘩を止め、春蘭は気になった事を聞く。
少女は理由を説明しようとした時に、後ろから本陣
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