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我が剣は愛する者の為に
鉄球を操る純粋無垢な少女
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るのだろうか。
自分で言っておいてなんだが、多分来ないと思う。

「でも、どうして危険な橋を渡るような真似をしたんだ?」

一刀は一歩間違えてれば死ぬかも知れなかったのに、敢えてそんな方法を取った理由が分からないようだ。

「まぁ、軍師として志願できればこんな真似はしなかっただろうさ。」

「?」

俺の独り言ともいえる言葉に一刀は首を傾げる。
次の説明を黎が引き受けてくれた。

『武とは違って知は使えるかどうか判断するのが難しいの。』

「どうして?
 テストとかで判断すればよくね?」

『テスト?』

聞き慣れない単語に黎は小首をかしげる。
思わず使ってしまった横文字に反省しつつ、分かりやすいように言い換える。

「学力試験のようなものだよ。
 それを使えばある程度は分かるんじゃないの?」

『例え頭が良くても、戦場で活かせれるとは限らない。
 軍師は戦況を広い目で観察、一秒ごとに変貌する戦況を先読みして的確な指示を出す。
 知識だけでなく、自信と度胸も必要になる。
 下手に頭が良い人も戦場の血の匂いと気迫に萎えてしまって、正確な判断が下せないのが多いの。』

「それらを証明するためにも、桂花の危険な橋を渡る行為はある意味で効果的だったという訳か。」

懇切丁寧な説明に一刀な何度も頷きながら納得する。
俺達が雑談をしていると春蘭がやってきて。

「お前達、華琳様がお呼びだ。」

「華琳が・・・理由は?」

一応、理由を聞いてみる。

「前方に何やら大人数の集団がいるらしい。」

なるほど、一応他の奴の意見を聞く為に、招集したというのか。
俺達が華琳の元に着くと、桂花や秋蘭もいた。
俺が来るとなると桂花はキッ、と睨んでくるが構っていても無駄なので無視する。

「ちょうど偵察部隊が帰ってきた所よ。
 報告しなさい。」

「行軍中の前方の集団は、数十人ほど。
 旗がないため所属は不明ですが、格好がまちまちな所から、どこかの山賊か盗賊かと思われます。」

これから討伐に向かう賊の集団の先行隊だろうか?
そうなると下手に手を出せば、砦にいる賊の部隊に連絡が入り対策を練られるかもしれない。
こっちの糧食は必要最低限だから、策を練られてしまえばそれだけ討伐するのに時間がかかるかもしれない。

「様子を見るべきかしら?」

俺と同じことを考えていたのか、華琳もひとまず様子を見るべきか俺達に聞く。

「もう一度偵察部隊を送って見るべきかと。」

『私もそう思う。
 偵察部隊の報告を聞いてからでも、遅くはない。』

桂花の意見に黎も同意する。

「夏候惇、関忠、偵察部隊を率いて様子を見てきてちょうだい。」

「おう。」

「了解
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