第七章 銀の降臨祭
エピローグ 重なりし運命
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が吹いた。
草を吹き飛ばし。
木の枝を折り。
風を纏って少女の前に現れたのは、鎧を身に纏った少女。
自分と同じ金の髪を風に靡かせ。
深い森のような翠の瞳は、鋭い眼光を放ち。
可憐な美貌を凛々しく光らせている。
「ティファニア無事ですか?」
「わ、わぷっ、え、えっとわたしは無事ですけど……その、そこの人が」
口に入った草をぺっぺっと吐き出しながら、駆け寄ってくる少女騎士に、木の根元で横たわる赤い騎士を指差す。
ティファニアと呼ばれた少女が指差す方向に、少女騎士が顔を向け、
「先程言っていた者のことですか? 逃げ出した兵士でしょ…………え?」
目を見開き固まった。
「そ、そんな……まさか……いや……しかし……間違いない……だがなぜ……なぜ……あなたがここに……」
全身を戦慄かせ、死人を前にしてもこれ程驚かないとばかりに驚愕の顔を見せる少女騎士の姿に、普段の彼女の姿を知っているティファニアが、恐る恐ると問いかける。
「え、と……その……もしかして、アルトの知り合いですか?」
「……有り得ない……しかし……いや……そんな……」
ティファニアの問いかけを無視し、アルトと呼ばれた少女は倒れている男の下へとふらふらと近づいていく。
「……なぜ……あなたがここにいるのですか……」
森の中を抜けるように、一陣の風が通り抜け、倒れ伏す男の前で立ち尽くす少女の頬を撫で、
「――――――シロウ――――――」
蒼く広がる空へと広がっていった。
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