第七章 銀の降臨祭
エピローグ 重なりし運命
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の余りにも見事な動きに、爪から口を離し、窓の外に見えるガリア艦隊を眺めていた。
挨拶をしたいとのことだが、一体何をするつもりなのか?
これ程見事な動きを魅せる艦隊だ。
どんな素晴らしい挨拶をするのだろうか?
心の隅に湧き上がる嫌な予感を無視するように、艦隊の動きに魅入りながら、どんな挨拶をするのかと期待を寄せていた。
ふと、地上から怒声や悲鳴が聞こえ、視界を下に向けると、玄関から逃げ出すように人々が飛び出していく姿が見えた。
その光景に、首を捻ったクロムウェルだが、直感的に何が起きているのか気付き顔を上げると、
「ヒッ!!」
百はあるだろう戦列艦の舷門が光り、
「―――っぁ」
裂けるほど開かれた口から出る悲鳴を塗りつぶし、クロムウェルごと赤レンガの発令所を、数百の耀きが吹き飛ばした。
「えっと……確かこの近くだった気がするんだけど……」
生い茂る草を掻き分けながら、少女が森の中を進んでいる。自身の身体を覆い隠すほどに伸びた茂みを少女が潜り抜ける度に、頭上を覆う木々の隙間から、微かに届く僅かな光を、黄金色の輝きに変え反射させるのは、少女の金に輝く長い髪。少女が手で草を掻き分ける度に、少女の長い髪が草に絡まるが、一度も引っかかることなくシャラシャラと涼やかな音を立てながら解けていく。その理由は、普通の人の半分程しかない髪の細さ。
しかし、その代わりにと言うように、少女の身体の一部分が草を掻き分ける毎に引っかかっていた。
基本的に少女の身体は細い。
枝のように細いにも関わらず、程よい柔らかさを感じさせる手足。
コルセットを着けているのかと思うほどにくびれたウエスト。
では、何処が引っかかっているのかと言うと、それは、身体の細さに比例するように突き出た胸。
服の中にボールを入れているのかと真剣に疑ってしまう程に、その胸は少女の身体に対しアンバランスであった。
華奢な身体にスイカの如き胸。それは確かにアンバランスなのだが、しかし絶妙なバランスの上、一つの芸術品の如く完成されていた。
それゆえに、少女の身体は芸術の神が自らその手を振るって造り上げたのではないかと考えてしまうほどだ。そしてそれは、少女の美貌を見て確信に変わるだろう。これ以上ない程完璧な位置に配置された目鼻は、少女の金に輝く髪と白い肌と合わせ、まるで自ら輝いているかのようである。
ここまで完成された美貌であれば、冷たさを感じさせるものなのだが、少女が身に纏う柔らかな雰囲気や、完成された美貌に浮かぶ優しげな微笑みが、逆に暖かさを感じさせた。
金に流れる髪の隙間からは、尖った長い耳が見え。それがさらに、少女に神秘性を与え
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