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八条学園怪異譚
第二十五話 飛ぶ魚その一
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                第二十五話  飛ぶ魚
 愛実と聖花は博士の研究室に入って博士の話を聞くことにした、この時も研究室の中には妖怪達が集まっていた。
 その中にはこれまで案内役を務めていた妖怪も多い、花子さんもいる。
 その花子さんがコーラを飲みながら二人に言ったのだった。
「まああんた達も続くわね」
「ううん、結構色々回れて楽しいし」
「皆とも会えるしね」
 二人はそれぞれドーナツを食べながら答える。用意されたパイプの椅子に座ってそうしている。
「妖怪の皆とね」
「それが出来るからね」
「そのうち見付かるって思ってるでしょ」
「ええ、実際にね」
「そう思ってるわ」
 二人もその考えを否定しない。
「あるのは間違いないし」
「だったらね」
「しっかりしてるわね、けれどね」 
 花子さんは立っている、そうしながら今度はドーナツを手にして言うのだった。
「あんた達のそれがね」
「それが?」
「それがっていうと?」
「いいと思うわ」
 二人に微笑んで言った言葉だ。
「継続は力なりっていうかね」
「諦めないこと?」
「それで楽しむこと?」
「そういうのがいいのよ」
 こう二人に言うのだった。
「そのうち見付かるだろうしね」
「うん、そうだよ」
 花子さんの足元にいるすねこすりも言って来た。
「この学園の何処かに絶対にあるからね」
「そうじゃないとあんた達も来られないしね」
「だからよね」
「そうだよ、絶対に何処かにあるからね」
 また言うすねこすりだった、彼は彼で皿の中のミルクをぴちゃぴちゃと舐めている。
「だから焦らないでね」
「うん、それじゃあね」
「探していくから」
「一緒に楽しませてもらうからね」
「勿論あたしもね」
 また花子さんが笑顔で言ってくる。
「焦らず楽しくいきましょうね」
「そうね、夏休みの間も楽しんで」
「そうしていこうね」
「さて、それでじゃが」
 ここで研究室の主が出て来た、博士は自分の席に座ってそのうえでフレンチショコラのドーナツを美味そうに食べながら言うのだった。
「泉の候補地じゃな」
「はい、まだ色々ありますよね」
「学園の中に」
「歌劇場もじゃな」
 この学園にはこうしたものもある、大学の美術部音楽科のものだ。
「あそこにもありそうじゃな、それに教会や寺にもな」
「教会とお寺が同じ境内にあるのはね」
 口裂け女はその大きな口でドーナツを食べながら笑顔で話す。
「日本ならではだね」
「何か他の国じゃ普通じゃないのね」
「ヨーロッパとかだと」
「うん、ないよ」
 口裂け女はドーナツの美味さに目をにこにことさせながら答える。
「あの料理が絶望的じゃなくて本当に絶望するレベルでまずい国もね」
「イギリスね、その
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