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ヘタリア大帝国
TURN65 快進撃その五
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「とても食べられたものではありません」
「ううむ、そういえばその食品のことは聞いたことがあったな」
 レーティアはここでこのことを思い出した。
「そして君と話したな」
「あr、そういえばそうでしたね」
「済まない、失念していた」 
 レーティアはこう言ってエルミーに詫びた。
「どうもな」
「総統がお忘れになられるとは」
 エルミーはこのことから即座に感じ取った。そして不安を感じてモニターの中のレーティアに対して怪訝な顔で尋ねた。
「お休みになられていますか?」
「休息か」
「はい、それは大丈夫ですか?」
「休んでいる暇はない」
 これがレーティアの返事だった。
「今の私はな」
「バルバロッサ作戦の為ですか」
「そうだ、休んではいられない」
 こうエルミーに答える。
「とてもな」
「ですが作戦が終われば」
「うむ、その時は休む」
 こう疲れが見える顔でエルミーに答える。
「その時にな」
「お願いします。本当に」
 エルミーの言葉は切実なものだった。
「さもないと総統閣下のお身体が」
「確かに人間には休息も必要だ」
 聡明なレーティアがわかっていない筈のないことだ。彼女もそのことは頭ではよくわかっているのである。
 だがそれでもだった。今の彼女とドクツは。
「しかし今はだ」
「どうしてもですか」
「バルバロッサ作戦には我がドクツの命運がかかっている」
 これまで以上にそうである作戦であることもレーティアはわかっている。そしてそれ故になのである。
「だからこそだ」
「休息は取れませんか」
「栄養は補給している」
 それは大丈夫だというのだ。
「だから安心してくれ」
「だといいのですが」
「休息もちゃんと取る」
 エルミーを安心させる為の言葉だった。
「バルバロッサ作戦終了後にな」
「作戦は必ず成功します」 
 エルミーは確信していた、この前提がある故に。
「総統閣下がおられるのですから」
「私が計画立案し私が総指揮を執る」
 この作戦でもそうである。
「それで失敗する筈がない」
「その通りですね」
「ソビエト西方を一気に手に入れそしてモスクワを攻める」
 これがバルバロッサ作戦の具体的な計画だった。
「補給、予算、装備、全てはボタン一つに至るまで不備もない」
「お流石です」
「敵の戦力と配置の把握もできている」
 情報収集も完璧だった。
「移動させてもそれはわかっている」
「では後は攻めるだけですね」
「ソビエトは強い。しかし知れば勝てる」
 ここでも敵を知り己を知ればなのだ。
「ソビエトを攻め落としそちらはだ」
「はい、太平洋もお任せ下さい」
「日本がガメリカに勝てば大きいな」
「アメリカが降伏すれば中帝国も降伏します」
 中帝国の交戦
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