TURN65 快進撃その三
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「何かね」
「そう?」
「うん。向こうもレーティア=アドルフが総統になって何もかもをやってるじゃない」
そしてソビエトもだった。
「こっちもカテーリンちゃんが全部やってるでしょ」
「そうなるのね」
「何かそんな感じがするけれどどうかな」
ミーシャはカテーリンに対して尋ねる。
「その辺りは」
「そう言われれば似てるかも」
カテーリン自身も話を聞くとだった。
「共有主義とファンシズムは」
「全部国家っていうかカテーリンちゃん達がやってるからね」
「だって皆言うこと聞かないから」
学級委員か生徒会長の言葉だった。
「だからよ」
「それでよね」
「うん。共有主義こそが皆を幸せするのよ」
カテーリンはこう確信している。
「それなのに皆言うこと聞かないもん。ペナルティも厳しくするわ」
「それで昨日立ち食いをしていたイワノフ同志をなのね」
「晩御飯抜きよ」
それがペナルティだった。
「皆と同じ時間に同じものを食べないと駄目じゃない」
「給食ね」
「一人だけ一杯食べたりいいものを食べるなんてロシア帝国と同じよ」
かつてのロシア帝国は貧富の差が激しかった。それは食事にも極めて顕著に出ていたのである。そしてカテーリンはそれを嫌悪していたのだ。
「そんなの駄目に決まってるわ」
「それで晩御飯抜きにしたのよね」
「そうよ。そんなこと絶対に許さないから」
また言うカテーリンだった。顔は怒ったもののままだ。
「それでドクツも」
「勢い凄いよ」
ロシアがここでカテーリンに言った。
「このままだとね」
「モスクワまで来るわ」
「何かドイツ君達寒さも平気みたいだし」
全ては防寒艦のせいである。
「滅茶苦茶強いね」
「スノーさんの力も意味がない様です」
ロシア妹も言ってきた。
「このままでは」
「ニガヨモギしかないかな」
ロシアはぽつりと言った。
「上手に言うことを聞かせられるかどうかわからないけれど」
「いざとなったら使うから」
カテーリンはこのことに躊躇を見せなかった。
「祖国君はいざとなったらあの町に向かって」
「うん、そうしてだね」
「ニガヨモギを連れて来て」
「操ることはどうするべきかな」
「とりあえずは妹君ちゃんとして」
それはロシア妹に任せるというのだ。
「そうしてね」
「わかりました。それでは」
「モスクワを攻め取られてもまだ何とかなるけれど」
ソビエトの広大さと国力ではそれでもまだ余裕があるのだ。このことはレーティアが読んでいる通りのことである。
「モスクワで何とかしたいから」
「では手配をしておきます」
ゲーペは今も直立不動である。
「そのうえで」
「モスクワまではまだ我慢できるから」
今度は感情を言うカテーリンだ
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