TURN65 快進撃その二
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そのソビエト軍を見ながら言うトリエステだった。
「リトアニアからラトビア、エストニアに入る」
「そしてレニングラードだっぺ!」
「一気に行きましょう!」
デンマークとフィンランドがトリエステに応えてだった。北方軍集団も順調に攻めていた。
南方もだ。ベートーベンは的確に攻めている。
ウクライナもその攻撃の前に為す術がなくこう言うばかりだった。
「どうしよう、このままじゃ」
「はい、最初の攻撃で艦隊の三割を失いました」
「そして今も」
反撃を加える前に潰されている、ウクライナの目の前でもソビエト軍の艦艇ばかりが炎と化して銀河に消えている。
それを見てウクライナは蒼白な顔になって言うのだった。
「この状況だと」
「撤退ですか」
「それしかありませんか」
「それしかないかも」
ウクライナもそれを覚悟しだした。ベートーベンはそれを見て率いているギリシアやルーマニア、ブルガリア、それにドイツ妹に言っていた。
「我々はウクライナからカテーリングラードを攻略し」
「カフカスですね」
ドイツ妹がこの星域の名前を出した。
「あの星域まで攻め取りますね」
「カフカスはソビエトの資源の宝庫の一つだ」
それはウラルやシベリア、チェリノブイリも同じである。
「あの地を押さえれば大きい」
「総統閣下もそう仰っています」
「だからだ。我々はカフカスまで攻略する」
まさにそうするというのだ。
「いいな、ではだ」
「じゃあウクライナを占領したらずら」
「次はカテーリングラードに行きましょう」
ルーマニアとブルガリアも言う。
「それじゃあずら」
「ここのソビエト軍を倒したらすぐに占領しましょう」
「我々に休息を取る時間はない」
ベートーベンは冷静沈着そのものの言葉も出した。
「この戦争に勝つまではな」
「勝ってそして」
ギリシアはぽつりとして呟いた。
「後は色々と」
「哲学的思考もできる」
ベートーベンもそのギリシアに言う。
「それからだ」
「わかった」
口ではぽつりとした感じだが頭の中では戦争のことだけでなくビームやミサイルの動きを数学的に計算もしていた。そしてそこから哲学も芸術も考える。ギリシアは茫洋としている様で今もあれこれと考えていた。
ドクツ軍は瞬く間に国境を破った、このことはカテーリンのところにも報告として伝わった。
今彼女の周り、質素な官邸の中にはミーシャとゲーペ、それにロシア兄妹がいた。ゲーペが教師の様な口調で述べた。
「ここはどうされますか」
「撤退か抗戦かよね」
カテーリンはむっとした顔でそのゲーペに応えた。
「どっちにするか」
「三つの星域のどれも占領されることは確実です」
ゲーペはカテーリンの前で直立不動の姿勢で述べる。その左手の
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