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水の国の王は転生者
第九十二話 アルブレヒト戴冠
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を口に当て驚いた顔をして、一方のマクシミリアンは足を組み直すと顎に手を当てた。

「さて、この新鮮な情報。アルブレヒト殿に提供するべきかそれとも……」

「提供ですか? アルブレヒト閣下もその情報を掴んでいるのではないですか?」

「このメモに書いてあったが、ブランデルブルク軍の反乱を知らせる伝令が、ボヘニア地方を通過中に襲われてしまったそうだ」

「と言う事は、ヴィンドボナでこの情報を持つ者は、わたし達だけ……」

「ガリアの諜報は動いていないみたいだし、そういう事になるね」

「どうされるのですか、マクシミリアンさま?」

「情報提供すれば、ゲルマニア国内に間諜を放っていると言っている様なものだ。かえってに不信感を与えるかもしれない」

「では黙っているのですか?」

「所詮は他国の出来事、選択的にはベストではないがベターだと思う……」

「それなら、何方か信頼できる方にご相談されてはいかがでしょう?」

「……ふーむ。ではそうするか」

 マクシミリアンは再び馬車の窓を開けミシェルを呼んだ。

「ミシェル。悪いが使いを頼まれてくれ」

「御意にございます」

「先ほどの急報をペリゴールの所にま送って欲しい。ああ、返事は貰って来てくれ」

「畏まりました!」

 急報の紙と『ゲルマニア側に知らせるか』の質問が書かれた紙を受け取ったミシェルはグリーズを翻し、ペリゴールの乗る馬車まで駆けて行った。

「さてペリゴールはどんな答えを出すかな」

 ペリゴールの返事は10分とせず返って来た。

「戻ったか、何々?」

 ミシェルから返事を受け取ったマクシミリアンは返事を読み始める。

 返事には『公開するべきです』と簡潔ながらも書かれていた。
 後にはその理由も書かれていて、各国それぞれスパイの一人は放っていて、トリステインがゲルマニア国内にスパイが居ると知られてれば、ゲルマニアは表面上は抗議してくるが、強力な諜報網に、小国と思っていたトリステインの評価を見直す事になる……と書かれていた。

 マクシミリアンはペリゴールの助言に考え込む。

「うーん。国際社会とはそういうものか」

「どうなさるのですか?」

「うーん……」

 ゲルマニアと友好関係を結ぶなら公開するのも悪くは無い、とマクシミリアンは思う。

「だが……こちらの数年掛けて構築したゲルマニア諜報網の存在を晒すのは、10年20年後を考えると良くないと思う……よし」

 マクシミリアンはこの反乱の情報をゲルマニア側に提供しない事にした。

「後でペリゴールにも口止めをさせておこうか。カトレアも急報の件は黙っているように」

「……分かりました」

 カトレアは不承不承ながら
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