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東方調酒録
第七夜 射命丸文は取材する
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いるものなんだな」
悠が嫌そうな顔で言った。
「新聞は嫌いみたいね」
「載るのはね、 嫌な思い出がありますから。 でも読むのは好きですよ」
「そう!? なら私の新聞を定期購読しない?」
「特典はあるんですか?」
「何か欲しいものでもあるの?」
「その色っぽいカラスを撫でさせてくれるなら……」
「それは本人に聞かないと駄目ね」
肩のカラスはカァーと鳴きそっぽを向いた。
「男に撫でられるのは嫌だと言ってるわ」
「ペットじゃないんですか?」
「同僚よ、 私も昔はカラスだったのよ。 この子も成長すれば人型になるわ」
「そうですか、 残念です」
悠は本当にガッカリしたようであった。
「代わりに椛なら、好きなだけ撫でてもいいわよ」
えっ!!と文の隣で椛が悠の作ったチベット風ラムの串焼きを食べながら振り向いた。
「この子ならペットみたいなものだから」
そんな〜と椛が文に泣きついた。悠はそんな様子を憐れんで椛の頭を子供をあやす様に撫でた。悠は小動物に弱い。
「契約は成立ね」
文が商人の微笑みをした。
 こうして悠は文々。新聞を定期購読することとなる。悠の記事についてはあることないこと書かれていたが、嫌な気持になることはなかった。

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