第七夜 射命丸文は取材する
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いわね」
霊夢がニコッと笑った。
「えっと、 ありがとうございます」
「霊夢はひげ好きか?」
「違うわよ。 豚の角煮を食べてるとき、皮に産毛がついてると少し食欲をなくすじゃない? ひげが生えてれば妖怪の食欲がなくなるわ」
「さすがは巫女さん、 魔除けみたいなものですよね?」
「嘘だぜ、悠。 人は角煮じゃないぞ」
「あら、 同じものよ。 妖怪から見たら人間なんて豚の角煮よ。 ジューシーでとろとろよ、白いご飯もあれば最高ね」
「霊夢、 腹減ってるのか?」
「ええ!」
魔理沙は、機嫌が悪いわけだ。とぼやき、霊夢は木箱からウィスキーを一本取り出し、ビンのまま飲んだ。
「なにこれ? 変わった味の酒ね」
「マカラン……スコッチ・ウイスキーですよ、 スコットランドで製造された酒で、蒸留地によっても全然味が違うんだ。 日本酒とは全然味が違いますよね? 煙みたいな香りがしませんか?」
「ふ〜ん、 まぁまぁおいしいってしか分からないわ」
「それ商品だぞ」
「重さを減らしてるのよ、 運ぶ時に楽でしょ」
「じゃあ、そろそろ運びますか? お店に着いたら何か食べ物つくるよ」
「あんた料理できるの?」
「店でも出そうと思っているので、自信はあるよ」
「それは楽しみだわ」
霊夢の機嫌は一気に良くなった。
「魔理沙! さっさと運ぶわよ! 紫が言うには外の世界の魔女は黒猫を連れて荷物を運ぶのが役目らしいわよ」
「黒猫がいないぜ〜」
魔理沙は木箱を重ね紐できつく結び、紐の先を箒に結んだ。霊夢は陰陽玉を展開し四つ合せたモノに木箱を乗せた。霊夢と魔理沙で10個以上の木箱を運ぼうとしていた。悠は一つ残された木箱を持ち上げた。
「それじゃあ、 先に行ってるわ」
「道中、気をつけて」
「そっちもな」
霊夢と魔理沙が地面から足を離し、空に飛び立った。悠が二人を見送ってから歩き始めた後、木陰から天狗の少女が魔理沙達の方向に向かって飛んで行った。魔法の森を避けて迂回していた悠は魔法の森の上空で魔理沙と天狗の少女が話しているのを見かけた。天狗の少女の肩には一羽の黒いカラスが止まっていた。なんという怠惰なカラスだろうと悠は思っていた。カラスは悠の方に首を廻し流し眼で少し悠を眺めたのち、プイっと首を戻した。
「羽根を閉じてる時に右羽が上にくるカラスは大人しいく、上品な子……」
悠は疲れて意味不明なことを呟いていた。だいぶ歩いたからだ。悠が疲れ果てて建築中の自分の家兼バーに着いたとき、霊夢は木箱に腰掛けて紫と川辺で遊ぶ猫耳の幼女を眺めながら話をしていた。魔理沙はまだ着いていないらしい。
「あら、 遅いわね」
霊夢がジト目で言った。
「こんにちは〜」
紫が笑顔で手を振った。
「こんにちは、 僕は飛べないんだから仕方ないじゃないですか」
悠が息を切
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