第四話 勝と十六夜
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れやれ」と首を横に振って、そのまま店を出て行った。
「――本当に、凄まじい成長だの。たったの数日で、まさかここにまで名を轟かせるとは」
部屋で一人になった白夜叉は勝の創設したコミュニティについて考えていた。
「エクリプス▼・・・・・か。今ではその名は、東だけでなく、北にも響いておることを知らんのは――本人だけなのだろうな」
遠い目をして、白夜叉は呟きながら思考の海へと潜っていく。
彼らとの決闘≠ヘ、もしかしたら近い将来になるかもしれないと期待を寄せながら、考え事に没頭するのだった。
「おい、眼鏡坊主。ちょっとこっちに来い」
「はい?」
サウザントアイズ≠ゥら帰還した勝が料理を貪っていると、不意に十六夜から声を掛けられた。十六夜は声を掛けたかと思うとすぐについてこいと言わんばかりに歩き出す。勝は何かと思い十六夜の後に続くと、彼は人気の無い屋敷の裏で止まり、こちらに振り向く。
十六夜の目は、どこか怪しげに細められていた。まるで、こちらの秘密を掴まれた時の様な感覚を覚えていると、不意に十六夜が口を開く。
「お前、何が目的だ?」
「・・・・・・? 失礼ですが、質問の意味を理解しかねます」
「とぼけるなよ。みんな気付いていない様だが、俺の目はごまかせないぜ? お前の行動は最近不審な部分が多過ぎる。気付けばいつも居なくなってやがるかと思えば、また気付いた時にはいつも居やがる。そのくせ、ギフトゲームをやりにいっているわけでもなさそうだし・・・・・・最近、白夜叉のところへの出入りが多くなっているのが何よりも怪しい。さて、ここまで言わせたんだから、もうとぼけるなよ?」
ちっ、と心の中だけで舌打ちをする。どうやら、十六夜だけは勝の行動に疑いの目を向けている様だった。その上、いちいち口にすることが合っているからこそ反論しづらいのが、本当に厄介なことこの上ない。
「・・・・・・」
勝は少しだけ考える。今、ここで嘘を吐いてバレる確率は、恐らく五分。嘘だと見抜かれれば、有無を言わせず襲い掛かってくるかもしれない。その証拠に今、十六夜の目は闘争心のせいかギラギラと怪しい光を放っている。
「――はぁ。今はまだお話することは出来ませんけど――貴方の実力が本当の意味で開花したときか・・・・・・あるいは、時が来れば全てお話します。それまで、答えは保留にさせていただきますよ」
「おい待てやコラ。それだと今の俺が弱いみたいに聞こえるんだが・・・・・・なんなら、ここで一勝負するか?」
「――っと、勘違いしないでください。貴方は今の状態でも十分強いです。ですが、その力を最大限に発揮できていないと言いたいだけです。その状態では、僕が面白くあり
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