第四話 勝と十六夜
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うに瞬く間に広がっていきました。それもこれも、あの鬼種≠フ純血である少女のおかげです。
重要案件は以上となります。また近いうちにお手紙を白夜叉殿に仲介してお渡しいたします。出来るだけ早く、貴方がコミュニティに帰還なされることを願っております』
文面は、それで終わっていた。どうやら、ピエールはこの短い間にコミュニティにとって優秀な人材を確保し、そして知名度をみるみる上げて、同盟を結べるコミュニティまで見つけてしまったようだ。
その成長ぶりに感心して、勝の口元がだらしなく緩む。
「まったくアイツは・・・・・・期待以上だぞ。ピエール」
彼は今ここに居ないが、それでも労いの言葉を掛けたくなった。これほどの功績を挙げたのだ。労いの言葉一つ掛けても、罰は当たらないだろう。
「その様子だと、あの虎は上手くやっておるようだの」
「はい。僕の想像と期待を遥かに超越していました」
見惚れる程良い笑顔で、勝はそう言い切った。白夜叉もそれに釣られ頬がみるみる緩んでいくが、どれだけ緩んでいるのかは扇子越しなので分からなかった。
「あ、それと今回は少し、サウザントアイズ≠仲介して話をつけたいコミュニティがあるのですが――よろしいでしょうか?」
と、まどろみはすぐに霧散し、勝の表情は再び引き締められる。白夜叉も重要な案件だと理解したのか顔を引き締め、少し考え込む。
「ふむ・・・・・・何処のコミュニティと話したいのか教えてもらえさえすれば、こちらも最大限の譲歩をしよう。――ただし、しっかりとこちらの依頼を遂行するように」
「はい。分かっております。そのコミュニティ名は――」
次の瞬間、白夜叉の目が驚きで見開かれる。まさか、と思い再度聞くが、やはり答えは同じ。
怪訝そうに眉をひそめる白夜叉に、勝はいつもの営業スマイルで言葉を足した。
「出来るだけ、コミュニティの後ろ盾と保険は欲しいのです。それに今の時期なら、コミュニティの勢いがちょうど急降下しています。今を逃せば、もう二度と無い同盟だと思うので、僕はそのコミュニティと同盟を組みたい。何より、あそこは仮にも――を隷属させているんです。後ろ盾としても保険としても、恐らくこれ以上ない安物件ですよ」
「ふぅむ・・・・・・確かに、今なら安物件ではあるな。――良かろう。ただし、私がするのは会談に誘い、その日時と場所を提供することだけだ。そこは、分かっておろうな?」
「はい、それで十分です。依頼の方は、こちらで一度目を通させていただけると助かります」
「うむ。それでは、もうノーネーム≠ノ戻るがよい。今夜は恐らく、パーティーなのだろう?」
「おや、知っていましたか」
真面目な話が終わると、勝はすぐにおどけた表情で「や
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